オウム後継団体が資産隠しか、7億円を国に未報告 関連法人移転を確認・公安庁調査書「差し押さえ逃れ」

オウム真理教の後継団体主流派「Aleph(アレフ)」が、出家信者らが代表や責任者の関連法人に貸し付けをしたり、賃料を支払ったりするなどして資産を移転させていることが公安調査庁の調査書でわかった。
同庁はこうした関連法人の資産など約7億円を国に報告していないと推計しており、賠償を求める事件被害者側からの差し押さえを免れるために「資産隠し」を図ったとしている。
調査書は、同庁がアレフへの立ち入り検査の結果などを基にまとめたもので、2023年1月に作成された。
アレフが国を提訴し昨年12月に判決のあった訴訟で国側の証拠として提出され、読売新聞は訴訟記録を閲覧して内容を確認した。
調査書によると、出家信者が代表者や責任者、出資者となった関連法人は少なくとも8社あり、本店はいずれもアレフの拠点施設の住所地にあった。
アレフはこれらの関連法人の一部に約2.2億円を貸し付けて他の関連法人に返済を受ける権利を譲渡したり、高額の施設使用料を支払ったりしていた。
理由については、アレフが地下鉄サリン事件などの被害者側から賠償金の支払いを求める訴訟を起こされ、19年の判決で10億円超の支払いを命じられたためだと分析。
判決を基に資産の差し押さえが図られる可能性があり資産隠しに及んだとした。
同庁によると、アレフが団体規制法に基づき国に報告した資産は19年2月の約12億8600万円から24年2月に約800万円に急減した。
一方、同庁は、関連法人の収益事業などの資産は20年2月の約4億6000万円から、24年2月には少なくとも約7億円に上ったと推計している。
アレフ側は同法に基づく再発防止処分は違法と国を訴えた訴訟で、関連法人の事業を「アレフが営むものではなく、事業に関係する現金や預貯金はアレフの資産ではない」と主張した。
だが、昨年12月の東京地裁判決は同庁の調査書などを基に「アレフが実質的に経営するものと認められる」と認定。
アレフ側は控訴せず判決は確定した。
同庁の調査書について、アレフは取材に「適法・適正な経済活動が不適切な評価をされてしまっている」と回答。
同庁は「立ち入り検査などで得られた証拠に基づき確固たる根拠をもって作成している」とした。
参照元∶Yahoo!ニュース