なぜ?脱輪事故の95%は左タイヤ 交換後は「増し締め」を

寒さが徐々に緩み、自動車の冬用タイヤを夏用に付け替える時期が始まろうとしている。
交換後、注意が必要なのがタイヤの脱落だ。
重大事故につながるおそれをはらむが、実は車は右より左のタイヤの脱落が圧倒的に多く、脱輪事故の95%が左タイヤだったという統計もある。
国土交通省によると、タイヤ脱落事故は大型車に多く、11~3月に集中的に発生する。
北海道や東北、北信越など積雪が多く、冬にタイヤ交換が必要な地域で発生率が高い。
自動車整備士資格を有する北海道科学大の北川浩史准教授(機械工学)は「タイヤ交換後は、ナットを専用のトルクレンチで締め直す『増し締め』を行ってほしい。交換や点検が不安な人は、プロである整備士に任せて」と呼びかける。
特に外れやすいのは左のタイヤだ。
北海道警の調べでは昨年、道内で起きた脱輪事故60件のうち、57件が左側のタイヤだった。
北川准教授によると、車道は排水のために端が低くなっており、左側走行の日本では左に重心がかかる。
右左折時も左後輪に負荷がかかりやすく、点検で注意が必要だという。
北川准教授は違法な車両改造のリスクも指摘する。
札幌市では23年11月、車検通過後にタイヤを付け替えた違法改造の軽乗用車から左前のタイヤが外れ、当時4歳の女児に直撃する事故が発生。
女児の意識は今も戻っていない。
北川准教授は「違法車両はプロの点検が受けられないため整備不良を見つけにくく、事故を起こしても保険適用されないことが多い。安全を軽視した無責任な行為で『うっかり事故』とは別物だ」と警鐘を鳴らす。
参照元:Yahoo!ニュース