観光地にスーツケース放置相次ぐ 背景になにが? 過去には爆発物専門部隊の出動も 札幌市

創成川公園の外観を撮影した写真

多くの外国人観光客で賑わうさっぽろテレビ塔や二条市場などに近い、中央区の創成川公園。

2日午前、大がかりな撤去作業が行われていた。

公園のベンチを埋め尽くすように、大量のスーツケースやごみが放置されている。

公園を管理する札幌市によると、持ち主はホームレスの男性。

1月末から姿が見えなくなり、連絡が取れないことから、市は強制撤去に乗り出した。

札幌市 緑の管理課・濵岡次郎課長)「スーツケースは13個だったと聞いている。今回のホームレスの方が、どこから持ってきてどう集めてきたのかもちょっとわからない」

スーツケースの一つに貼ってあるシールをよく見てみると…。

アルファベットで「SZX」の文字が。

これは、「空港コード」と呼ばれる文字列で、中国・深セン市にある空港を現している。

実はいま、アジアからの観光客がスーツケースを日本に放置していくというケースが増えていると言う。

ホテル評論家・瀧澤信秋さん)「円安で(日本は)非常に安い。自分の国から古いスーツケースを持ってきて、国内で新しいものを買って、いらなくなったスーツケースを捨てていく。日本でいっぱいお土産とか荷物を買ってしまって、持ってきたスーツケースでは入らないとか手荷物重量の制限が厳しかったりして、スーツケースを買い替えたりするケースも」

外国人観光客によるスーツケースの放置に、頭を悩ませている宿泊施設があった。

本間壮惟記者)「札幌市中央区にある民泊です。敷地内のごみ置き場にスーツケースが置かれていたということです」

民泊を営む女性)「このまま本当にさりげなく置いてあるという感じ。過去にも何回かあったので、またかと」

1月から放置されているというスーツケース。

海外製で、香港の空港を経由したことがわかるシールが貼られている。

中身は空っぽで、持ち主が取りに来るのを待っているということだが…。

民泊を営む女性)「2週間経って取りに来なければ市の大型ゴミに出すしかない。有料だがこちらで処分する。迷惑は迷惑ですね」

スーツケースの放置ではこんな事態も。

2022年、創成川公園のトイレの横にスーツケースが放置され、危険物の可能性があることから道警の爆発物対応専門部隊が出動する騒ぎになった。

ホームレスに拾われたり、警察に処理されたり、様々な運命をたどる放置されたスーツケース。

外国人観光客には不要なものを放置しないようマナーの順守が求められる。

参照元∶Yahoo!ニュース