現在1000円の出国税、3000~5000円への引き上げ検討 観光公害対策に使い道拡大へ

出国税をイメージした写真

政府・与党が、「出国税」として1人1000円を徴収している国際観光旅客税の引き上げを検討していることがわかった。

訪日外国人の急増に伴って各地で問題となっているオーバーツーリズム(観光公害)対策などに税収を充てられるよう、使い道を拡大する方針だ。

自民党の部会で、引き上げ幅や使途について意見集約を始めた。

海外ではエジプトで約3750円、オーストラリアで約7000円など、日本より高額であることを念頭に置き、税額を3000円や5000円に引き上げる案が浮上している。

また現在は税収の使い道が、訪日誘客のプロモーションや、リゾート地の整備といった国際観光振興に関する施策に限られている。

オーバーツーリズム対策として、観光地の交通機関の拡充や、空港の整備などにも活用しやすくする。

与党税制調査会などでの議論を経て、税制改正大綱への反映を目指す。

国際観光旅客税は2019年1月に導入された。

日本から出発する航空機やクルーズ船などのチケット料金に上乗せして徴収している。

訪日外国人だけでなく、日本人の出国者も対象だ。23年度の税収は前年度比約3倍の399億円に達し、25年度は490億円を見込んでいる。

観光庁によると、24年の訪日外国人数は3687万人、出国日本人数は1301万人だった。

訪日外国人は今後も増加が見込まれ、政府は30年に訪日客数6000万人を目指す。

一方で受け入れ態勢が追いついていない空港や観光地もあり、訪日外国人がさらに増えれば、オーバーツーリズムが深刻化する恐れもある。

政府は国際観光旅客税の引き上げで財源を増やし、目標達成に向けた環境整備に活用する考えだ。

参照元∶Yahoo!ニュース