福岡県の大手結婚式場運営業者のアルカディアが自己破産申請へ

自己破産を申請している事業主をイメージした写真

(株)アルカディア(TDB企業コード:840134682、資本金1000万円、福岡県久留米市宮ノ陣3-3-28、代表中山和子氏)は、2月25日に事業を停止し、佐野俊明弁護士ほか4名(弁護士法人北浜法律事務所福岡事務所、福岡県福岡市博多区住吉1-2-25 キャナルシティ・ビジネスセンタービル4階、電話092-263-9990)に事後処理を一任、自己破産申請の準備に入った。

当社は、1973年(昭和48年)12月創業、89年(平成元年)3月に法人改組した結婚式場・レストランの運営業者。福岡県大川市に本社を置くパン製造業者が、昭和48年12月に設置した結婚式場「ロイヤルパークアルカディアリゾート」(2012年5月閉館)の運営を足掛かりに、ブライダル事業に着手。

ホテルの大型増築を機として(株)ロイヤルパークホテルの商号で分社化した経緯がある。

以後は久留米市でのマンション建築による不動産賃貸をきっかけに同市内に進出。現本店となる「ロイヤルパークアルカディア久留米」は同地区初の本格的邸宅ウエディング形式の式場として人気を博していた。

定期的な投資で、設備面の充実を図るほか、積極的な宣伝効果から知名度も向上。

福岡県南部および佐賀県を主要商圏とし、北九州や福岡地区在住の結婚予定客からの申し込みも増えたことで「ウエディングワールドアルカディア小倉」「アルカディアSAGA」「THE アルカディア太宰府」を相次いで展開し、2013年8月期は、年収入高約35億8800万円を計上していた。

その後は2013年9月には現商号へ変更。

婚礼件数の減少に加えて、他地域からの競合施設の進出により、収入高は弱含みで推移していたなか、2015年には福岡市内にレストラン「QUANTIC」を出店。

そのようななか、2020年に入ると新型コロナウイルスの感染拡大から、婚礼行事の中止・延期による影響で収入高は大きく落ち込んでいた。

コロナ禍明けも業績の回復は難しく、2024年8月期の年収入高は約21億4000万円にダウン。

最終損失は約5億2000万円にのぼり、約6億円の債務超過に陥っていた。

この間コロナ関連融資などを調達する一方、これまでの設備投資に伴う借入金の返済が重荷になり、2023年5月に久留米市内の社有不動産を売却。

さらに2024年3月には現代表に交代するなど立て直しを図っていたが、2025年2月に国の雇用調整助成金をだまし取ったとして元社長ら5人が逮捕されるなど対外的な信用は失墜し、先行きの見通しも立たなくなった。

負債は2024年8月期末で約40億3200万円だが、変動している可能性がある。

参照元∶Yahoo!ニュース