白浜の三段壁へと行先告げた乗客に「悩みとかあるんか?」 自殺防いだタクシー運転手に感謝状

パトカーをイメージした写真

和歌山県警白浜署は25日、白浜町の三段壁を訪れた中部地方に住む20歳代男性の自殺を防いだとして、タクシー会社「白浜第一交通」運転手、津田恵二さん(66)に感謝状を贈った。

同署や津田さんによると、男性は12日午後6時25分頃、JR白浜駅から1人で、津田さんのタクシーに乗車し、三段壁に向かうよう求めたという。

既に日は暮れており、観光に来るには不自然だった。

津田さんは車を走らせながら「食事はどうするんや?」「宿は取っているんか?」などと問いかけたが、答えは曖昧だった。

信号で停止した時、ふと、「悩みとかあるんか?」と尋ねてみた。

振り向くと、男性は涙を流して泣いていた。

津田さんは自殺しようと白浜に来たと確信し、自らの判断で同署に連れて行った。

その後、男性は家族に引き取られたという。主な相談窓口 同署で25日、贈呈式があり、中田聖署長が津田さんに感謝状を手渡した。

中田署長は「違和感を感じてくれて、ありがたかった」と述べた。

津田さんは「自殺をするにも、やめるにも勇気が必要だろう。思いとどまったのだから、これから何でもできるはずだ」と男性をいたわった。

「白浜は楽しく、遊びに来る場所だ。尊い命を失わないでほしい」と話した。

参照元∶Yahoo!ニュース