ホンダ幹部、鴻海との提携を否定 日産へソフト供給狙う両社 目的重複で協業メリットなし

協業している経営者をイメージした写真

台湾・鴻海精密工業がホンダに協業を提案したとの報道について、ホンダ幹部は2月21日、「どういうタイミングで来ているのかわからないが、普通はない(話だ)」と否定した。

鴻海はホンダと日産自動車、三菱自動車との協業に向けた議論への参画を模索しているとみられる。

鴻海は電気自動車(EV)の受託生産事業を軌道に載せるため、日産の工場取得などを目指しているとされ、一時は経営への参画も検討するなど日産との提携に意欲を示している。

同社の劉揚偉会長は12日、協業に必要な場合は日産の株式取得も検討する旨の発言をしている。

また、EVプラットフォームに加えて、自社のソフトウエアの活用先を探っているとされる。

一方、ホンダも、日産とは経営統合こそ破談となったものの、ホンダ製車載OS(基本ソフト)の供給など、SDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)領域を中心とした協業の議論を継続しており、鴻海とは狙いが重なる。

ホンダ幹部は「ソフトで他社との違いを出すために日産との協業を議論している」と、ホンダと鴻海の提携で得られる効果は極めて限定的だとの見方を示し、「そもそも協業を我々が考える相手に(鴻海は)当てはまらない」と否定した。

また、英フィナンシャル・タイムズは同日、鴻海による日産の買収を防ぐため、米テスラに日産への出資を要請する動きがあると報じた。

テスラ元社外取締役の水野弘道氏が主導し、菅義偉首相も支援していると伝えているが、水野氏は同日、SNS「X」上で「報道されている事柄に全く関与しておらず、日本政府による動きについても知らない。テスラの工場設計は非常にユニークで、日産の工場には興味がないと個人的には思っている」との見解を発信した。

参照元∶Yahoo!ニュース