YouTuber市場の変化 最大事務所「UUUM」上場廃止で次の一手は?

ユーチューバーをイメージした写真

7年半前、ヒカキンさんなどが所属するYouTuber(ユーチューバー)のマネジメント事務所であるUUUMが東証に上場した。

そのUUUMは17日、上場廃止となり、広告関連技術を手掛ける「フリークアウト・ホールディングス」の完全子会社になる。

いま、YouTube市場で何が起こっているのだろうか?

「部屋の一角で収録が始まりました。歴史解説をするぴろすけさんと、合いの手を打つ副社長さんと2人きりでの収録です」(田中瞳キャスター)

こちらは歴史解説を専門とするYouTuberぴろすけさんと副社長さんの収録現場。

今回のテーマは幕末時代に活躍した新選組の副長、土方歳三についてだ。

事務所に所属せず、6年間動画を投稿し続け、YouTubeチャンネル「非株式会社いつかやる」の登録者数は現在50万人超え。

自治体とのコラボも行っている人気YouTuberだ。

「最近のチャンネル自体の調子はどうなんでしょうか」(田中キャスター)

「調子はあんまり良くない。いろいろな歴史系チャンネルも増えている」(ぴろすけさん)

YouTuberの増加で激しさを増す競争。

CGを多用するなど、編集にこだわってきましたが、追い討ちとなる出来事があった。

15秒から1分ほどの短い縦動画「ショート動画」の流行だ。

TikTokの登場をきっかけに、YouTubeにも2021年から導入された。

ただ、ぴろすけさんたちによると、広告収入は通常の動画の数十分の1程度だという。

ショート動画で100万回再生された場合の収入を聞きますと「大衆居酒屋で3人くらいで飲んで支払う額くらいしかもらえない」(ぴろすけさん)

「いろいろな影響を含めて、収益は少しだけ下がった。僕らの場合は全盛期に比べ3割くらい下がった」(副社長さん)

UUUMの売上高YouTuberが稼ぎづらくなったことで売り上げが減少傾向となっているのが人気YouTuberおよそ150組を抱えるマネジメント会社「UUUM」だ。

2017年に上場し、その後も売り上げは右肩上がりでしたが、ショート動画が登場し、時間の長い動画の人気が落ち込み始めると、売り上げは減少。

ビジネスモデルに限界が見え始めていた。

そこでテコ入れに乗り出したのが、広告関連技術を手がけるフリークアウト・ホールディングスだ。

もともと「UUUM」の株式の過半数を取得していたが、去年TOB株式公開買い付けを成立させ、17日の東証グロース市場からの上場廃止を経て、19日からUUUMを完全子会社化する。

「面白い動画を作って、自動的に出てくる広告で収益を得られた時代はとっくに終わった。しっかりタイアップの案件を取ってくるとか、グッズの販売など事務所がサポートしていく必要がある」(「フリークアウト・ホールディングス」の本田謙社長)

フリークアウトはタクシーの後部座席のサイネージを開発するなど、広告に関する知識や経験が豊富な会社だ。

UUUMを新たな形のタイアップ広告に積極的に参入させることで収益力を上げていきたいと言う。

「例えばショート動画みたいなものも新しい広告フォーマットは開発されて行くと思う。そうなれば恩恵を受けるのが最終的にはクリエーターだ」(本田社長)

また今後は広告主とYouTuberを直接結びつける「取引所」を作り、更なる成長を目指したいと言う。

「おたくの商品はこういう場所ではやっているから、このインフルエンサーでタイアップをした方がいいと提案する。クリエーターを代理店が探す時は、そこを使うのが当たり前になる。そういったものを作りたい」(本田社長)

参照元∶Yahoo!ニュース