電通を「女性に働きやすい企業」、厚労省が認定…高橋まつりさんの母「全社員守る緊張感を」

厚労省をイメージした写真

厚生労働省が女性活躍に積極的に取り組む企業として、大手広告会社の電通(東京)を認定したことがわかった。

同社では2015年、違法な長時間労働が原因で、新入社員の女性が過労自殺する事件が起きたが、10年後に「働きやすい企業」に認められた。

認定を受けたのは、16年4月施行の女性活躍推進法に基づいて始まった「えるぼし」。

女性の正社員に占める割合や労働時間といった基準を満たす必要がある。

認められると、税制上の優遇措置などを受けられる。

認定企業は、昨年9月末時点で3041社に上る。

女性が働きやすい企業を国が認定する制度には、仕事と子育ての両立を評価する「くるみん」もある。

電通は認定を受けていたが、新入社員の高橋まつりさん(当時24歳)が15年12月に過労自殺した事件を受け、辞退した。

その後、労働環境の整備が進んだことから、えるぼしを申請、今年1月に初めて認められた。

所管する東京労働局によると、労働時間などに顕著な改善が見られた。

引き続き取り組み状況を注視していくという。 

電通は「働く女性の不安感の払拭(ふっしょく)に向け、多くの施策に取り組んできた。今後も法令順守、働きやすさにつながる各種制度の導入など、適切な労務管理を進めていく」とコメントした。

高橋さんの母、幸美さん(62)は「申請したということは、世間に二度と娘のような事件を起こさない覚悟を示したと受け止めている。子会社や協力会社も含め、全社員を守るため緊張感を持って取り組んでほしい」と注文した。

参照元∶Yahoo!ニュース