米家計債務、第4四半期は0.5%増の18兆ドル

米ニューヨーク連銀が13日発表した2024年第4・四半期の家計債務・信用統計によると、米国の家計債務残高は前期比0.5%増の18兆0400億ドルとなり、新型コロナウイルス流行前の19年第4・四半期と比べると3兆9000億ドル増加した。
ニューヨーク連銀は「消費者の家計負債状況は安定的な残高と住宅ローンの堅調なパフォーマンスにけん引され、かなり良い状態にある」としつつ、「自動車ローンについては、自動車の値上がりと金利上昇が相まって毎月の支払額が増え、所得やクレジットスコアの範囲を超えているのが消費者を圧迫している」と指摘した。
内訳では、クレジットカード債務残高が前期比450億ドル増の1兆2100億ドル、住宅ローン債務残高は110億ドル増の12兆6100億ドル、自動車ローン残高は110億ドル増の1兆6600億ドルとなった。
統計によると、信用面でもいくらかほころびが見られる。
24年第4・四半期に何らかの問題を抱えた債務は3.6%と、前期の3.5%からやや上昇。
延滞に移行する負債が「わずかに上昇した」クレジットカードを除いた借り入れは横ばいだった。
3カ月以上延滞している深刻な延滞に移行した借り入れは自動車ローン、クレジットカード、住宅クレジットラインで「上昇した」という。
一方、住宅ローンは横ばいだった。
統計では、自動車ローンでは価格上昇と高水準のローン金利の問題が、所得水準によって異なる借り手に打撃を与えていると指摘した。
とりわけ新型コロナ流行時に高価な中古車を購入し、自動車ローンで現在苦しんでいる消費者がそれに当たる。
しかし、状況は改善するかもしれない。
ニューヨーク連銀のエコノミストらは「自動車価格下落は、最近組成された自動車ローンほど経過年数が長くなるにつれて良い結果をもたらす可能性があると示唆している」との見方を示した。
一方、24年第4・四半期には新たに約12万3000人の消費者が信用記録で破産とみなされ、前期より減少した。
第4・四半期には、信用記録で第三者による取り立ての記載があった消費者は「比較的安定している」と説明された。
参照元∶REUTERS(ロイター)