魚とご飯が何層も 「ミルフィーユずし」SNSで人気 「映え」も味も

ご飯やすしネタを何層にも重ねた「ミルフィーユずし」の人気が広がっている。
味もさることながら、海鮮丼と違って上からも横の断面からもカラフルな見た目を楽しめるため、「映える」としてSNSで話題となっている。
東京駅と直結している大丸東京店では、持ち帰りすし店「創作鮨処タキモト」のミルフィーユずしが好評だ。
同店では15年以上前に、洋菓子のミルフィーユからヒントを得て、透明な四角いカップに酢飯とすしネタを重ねた「贅沢ミルフィーユ」を発売し、口コミで人気となった。
その後、5年ほど前に価格とご飯の量を抑えた「ドリームプリティミルフィーユ」を発売。
上部にアワビやネギトロ、エビ、イクラ、カニが載せられ、その下には酢飯の層とサケフレーク、高菜、タラコ、キクラゲの佃煮などの層が重なっている。
見た目も味も受け、SNSで拡散されたことあって大ヒット商品になった。
昨年の売り上げは年間6万食。
大丸東京店で数多くある弁当のうち、他店の海鮮丼やハンバーグライス、牛めし、カツサンドといった人気の弁当を押しのけ、年間売り上げ数が3年連続1位となった。
創作鮨処タキモトの大丸東京店で店長を務める出口昇さんは、「上からだけでなくきれいな断面が見えることに加え、それぞれご飯やネタにしっかりと味付けし、食べ応えがあることが人気の秘密ではないか」と説明する。
食べ応えや日持ちへの配慮から、エビは酢漬け、イクラはしょう油漬けで、全体的に味は濃い目。
しょう油も付いているが、好みにより、付けなくても十分おいしく食べられるようになっている。
食べ方について、大丸東京店の広報は「ふたを裏返しにして皿代わりにし、上のネタをふたに取り分けながら食べるのがお薦め」とアドバイスする。
東京駅直結の場所柄から、駅弁として電車に持ち込む乗客、東京を訪れる観光客、地方に出かける人が客層の中心。
中には10個以上まとめ買いする人もいるという。
インバウンドをはじめ多くの観光客が訪れ、にぎりずしや海鮮丼の店が軒を連ねる築地場外市場(中央区)でも、店頭でミルフィーユずしを販売するすし店などが出てきた。
小さな透明カップに色とりどりの魚介類などを重ね、人気となっている。
数人でシェアしながら、スマートフォンで撮影して楽しむ観光客の姿もみられ、今後も扱う店が増えそうだ。
東京・銀座でも、今春から押しずしタイプのミルフィーユずしの提供を予定している店もある。
ある店の関係者は「お客さんの好みでミルフィーユずしを作ってもらうことも検討している」と話す。
ミルフィーユずしは、料理好きな人にも広がりつつある。
ネット上では、多くの人がそれぞれのアイデアで自作したレシピと色とりどりの画像が公開されている。
ひな祭りや誕生日、入学や進学、昇進祝いなど、記念日やイベントに合わせて、自宅で楽しみながら作ることもできそうだ。
参照元∶Yahoo!ニュース