「1歩踏み出すことできた」赤木雅子さん喜びの声 森友公文書改ざん 国が上告断念の方針受け 文書不開示訴訟で大阪高裁が逆転判決

森友学園をめぐる決裁文書の改ざんを命じられ自殺した男性の妻、赤木雅子さんが、捜査の関連資料を開示するよう求めた裁判で、大阪高裁が不開示とした国の決定を取り消すよう命じる判決を受け、国は、上告断念の方針を固めた。
これを受けて原告の赤木雅子さんは大阪市内で記者会見を開き、「うれしかった」「1歩踏み出すことができた」などと喜びの声が聞かれた。
「期限までは本当に色々な方から上告するかもと言われていたから、勝ったうれしさもありましたが、何とも言えない苦しい気持ちになりました。(上告断念の方針を聞いて)本当にびっくりしました。もううれしくてこれで文書が出るかなと思っていました。1日も早く出してほしい。ようやくスタートラインをきって、1歩踏み出すことができました」
また、赤木さんは石破総理に対して「ありがとうございます。黒塗りの無いものを出してほしい」などとした内容のメールを送ったことも明らかにしました。
財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(当時54)は2018年、森友学園をめぐる決裁文書の改ざんを命じられたことを苦に自ら命を絶った。
妻の雅子さんはどのような指示系統で改ざんを強いられたかを知るため、2021年に財務省や近畿財務局が検察に任意で提出した文書などを開示するよう求めたが、財務省側は文書が存在するかどうかも明らかにせず開示しなかった。
雅子さんは、不開示決定を取り消すよう求めて訴えを起こし、おととし9月、大阪地裁は「将来の刑事事件の捜査に支障が及ぶ恐れがある」として訴えを退けていた。
これに対し、1月30日に大阪高裁は「文書がいかなるものか明らかになったとしても、同種事案への捜査方針や意図が明らかになるとはいえず、犯罪一般の捜査等に支障を及ぼすおそれも認められない」と指摘して、不開示決定の取り消しを命じた。
森友学園の問題とは2017年、大阪府豊中市で小学校の開校を目指していた森友学園に対し、財務省がおよそ8億円値引きして国有地を売却したことが判明。
さらに翌年、値引きに関する決裁文書14件が改ざんされたことも明らかになった。
財務省の調査報告書では、安倍元総理の「私や妻が関係していたということになれば、私は総理大臣も国会議員も辞めるということをはっきりと申し上げておきたい」という国会答弁の後、当時の佐川宣寿理財局長が近畿財務局に決裁文書の改ざんを指示したとされている。
赤木雅子さんは、2020年、夫の俊夫さんが亡くなったのは、文書の改ざんを強いられたからだとして、国と佐川氏を相手取り、損害賠償を求める裁判を起こした。
しかし、2021年12月、突然国は、訴えを認めて賠償金を支払う「認諾」という手続きを取って裁判を終わらせた。
翌2022年に大阪地裁は、佐川氏の賠償責任について「改ざん指示の責任は国が負うべきもので、個人として賠償責任は負わない」などとして、訴えを退けた。
こちらの裁判は、大阪高裁も控訴を棄却。
雅子さんが最高裁に上告しているそ。
参照元∶Yahoo!ニュース