オントラックなら利上げ継続、実質金利マイナス縮小が必要 日銀意見

追加利上げを受けて、ブルームバーグが1月27日にエコノミスト45人を対象に実施した調査では、政策金利を0.75%程度に引き上げる時期は7月が56%と最多で、次いで9月が18%、6月が9%となった。
利上げのペースは半年に1回程度で、ターミナルレートは1%が中央値だった。
日本銀行が追加利上げを決めた1月23、24日の金融政策決定会合では、先行きも経済・物価が日銀の見通しに沿って推移すれば、利上げを続けて大幅なマイナスである実質金利を縮小していく必要があるとの意見が出た。
「主な意見」を3日に公表した。
ある委員は利上げ後も実質金利は大幅なマイナスだとし、「経済・物価がオントラック(想定通り)であれば、それに応じて引き続き利上げをしていくことで、マイナス幅を縮小していく必要がある」と主張した。
また、過度な緩和継続期待の醸成に伴う円安進行や金融の過熱を避ける観点から、金融緩和度合いの調整を行うことも必要だとする声もあった。
会合では、昨年7月以来の利上げを決め、政策金利を17年ぶりに0.5%程度に引き上げた。
植田和男総裁は記者会見で、日銀の経済・物価見通しが実現していけば利上げで緩和度合いを調整する姿勢を改めて表明した。
主な意見からも、改めて先行きの利上げ継続が必要との認識が示された形だ。
日銀が基調的な物価上昇率を2%に引き上げることを目指している中で、「企業や家計の予想物価上昇率はおおむね2%程度となっているとみている」との意見もあった。
その委員は、今後は家賃や公共サービスを除いた物価をよく見ながら、物価の上振れリスクに注意していくべき局面にあると指摘した。
追加利上げを受けて、次の利上げのタイミングとペースに市場の関心が集まっている。
植田総裁は会見で、緩和的でも引き締め的でもない名目中立金利の水準について、日銀の分析では1-2.5%に分布していると言及した。
主な意見では、「将来的には、政策金利についての考え方や、基調的な物価上昇率に関する各種指標の位置づけを整理していくことが望ましい」との声が出た。
一方で、上下双方向のリスクがかなり大きいとし、「利上げのペースやターミナルレート(最高到達点)を示唆することには極めて慎重であるべきだ」との意見も示された。
参照元∶Yahoo!ニュース