告発者を懲戒処分とした組織と個人に刑事罰、3000万円以下の罰金など 公益通報者保護法改正案

国会議事堂の外観を撮影した画像

政府が、24日に開会した通常国会に提出を目指す公益通報者保護法改正案の概要が判明した。

企業などの不正を告発した通報者を解雇や懲戒処分とした場合、組織と個人双方に刑事罰を科す。

兵庫県で昨年、内部告発を行った元県幹部が懲戒処分された事案もあり、罰則規定を導入することで公益通報者保護制度の実効性を高める。

改正案では、通報者への解雇や懲戒処分について、1年以内であれば通報を理由にされたと推定すると定義。

通報者を解雇や懲戒とした事業者は、3000万円以下の罰金、意思決定に関与するなどした個人には、6月以下の拘禁刑か30万円以下の罰金を科す。

また、通報に対処する従事者の指定義務を怠った事業者に対し、国が立ち入り検査を行う規定を新設する。

是正命令でも改善されない場合や虚偽報告、検査拒否には30万円以下の罰金を科す刑事罰の導入も盛り込む。

通報者を特定する行為は、罰則規定は設けられなかったものの、調査で必要な場合を除いて原則禁止する。

通報者の特定行為を巡っては昨年、兵庫県庁で斎藤元彦知事のパワハラなどの疑惑を内部告発した元県幹部が、特定された後に懲戒処分を受けた事例があった。

現行法は2020年に改正され、300人超の企業などに対し、内部通報窓口の設置や、通報に対処する従事者の指定など体制の整備を義務付けた。

通報者への不利益な取り扱いも禁じているが、違反に罰則規定はなかった。

消費者庁の有識者検討会が昨年末、内部通報者を解雇や懲戒処分とした事業者らに「刑事罰を導入すべきだ」などとする報告書をまとめた。

参照元∶Yahoo!ニュース