日産自動車、米国で2000人弱削減で最終調整 ホンダとの経営統合に向け体制縮小

人員削減をイメージした画像

日産自動車は主力市場の米国で、今年中に工場など生産部門の従業員を2000人弱削減する方向で最終調整に入った。

現地の2工場の体制を縮小し、米国での生産台数を25%程度減らす方向だ。

ホンダとの経営統合協議は、日産のリストラの実行が前提条件となっており、米国でも大規模な削減に踏み切る。

日産は2月上旬にも、取引先に方針を伝える見通しだ。

体制を縮小するのは、テネシー州のスマーナ工場とミシシッピ州のキャントン工場。

現在はそれぞれ4ラインで生産しているが、年内にも1ラインずつ稼働を止める。

スマーナ工場は4月以降、キャントン工場は今秋以降の予定だ。

現在の生産能力は両工場で計約100万台。

2ラインを止めれば、生産台数は単純計算で25%程度減るという。

市況が回復した場合に再び増産できるよう設備は維持する。

日産は昨年11月、世界で9000人を削減すると表明し、7割は生産部門とする計画だ。

今回の人員削減は、1500~2000人程度で調整している。

米国では昨年12月、数百人が希望退職した。

リストラの実施や、電気自動車(EV)の販売減を踏まえ、米国での投資やEV生産の計画も見直す。

キャントン工場では2026年からEV5車種を生産する予定だったが、28年以降に遅らせて4車種に絞る。

北米事業は日産の売上高の5割を占める屋台骨で、業績悪化が深刻だ。

24年9月中間連結決算で、北米事業の営業利益は41億円の赤字に転落した。

前年同期は2414億円の黒字だった。

足元の販売台数は、17年3月期から約4割落ち込んだ。

米国で人気が高まるハイブリッド車(HV)を投入できていないことが響いており、立て直しを急ぐ。

ただ、計画通りに米国でリストラを実施できるかは見通せない。

国内雇用を重視するトランプ大統領から批判を浴びる恐れがあるからだ。

トランプ氏はメキシコからの輸入品に25%の関税を課す方針を示している。

日産は米国での販売の約2割にあたる年間約20万台をメキシコから輸出しており、関税が課されれば、日産の経営に大きな打撃となる。

参照元:Yahoo!ニュース