米国は「パナマ運河取り戻す」、トランプ氏就任演説で
トランプ米大統領は20日の就任演説で、太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河を「取り戻す」と表明した。
西部開拓時代に領土拡張を正当化するために使われた標語「マニフェスト・デスティニー」を引き合いに出し、宇宙開拓計画についても触れた。
パナマ運河は米国が数十年にわたり運河の大部分を建設し、完成後には管理権を握っていたが、99年にパナマに全面返還していた。
トランプ氏は運河の管理権を渡すべきではなかったと主張し、米国の船舶は非常に高額な通行料の支払いを強いられ、「公平に扱われていない」と述べた。
トランプ氏は就任前から、米国がパナマ運河の管理権を取り戻すために軍事行動や経済措置を取る可能性を排除しないとの考えを示していた。
これに対しパナマのムリノ大統領はXへの投稿で、米国を含む世界貿易のために責任を持って運河を管理していると言明。
その上で、パナマ運河は「パナマのものであり、これからもそうあり続ける」と述べた。
トランプ氏はパナマ運河以外にも、デンマーク領グリーンランドの獲得に意欲を示しているほか、カナダ併合を巡る発言を繰り返すなど、他国に食指を動かしている。
トランプ氏は就任演説でメキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に改める意向も再び示した。
「米国は再び自らを成長国家とみなすだろう。われわれの富を増やし、領土を拡大し、都市を築き、期待を高め、国旗を新しい美しい地平へと運ぶ国家だ」と強調。
「われわれはマニフェスト・デスティニーを追及し、星々に米国の宇宙飛行士を送り出し、火星に星条旗を立てる」と述べた。
参照元∶REUTERS(ロイター)