トランプ氏「黄金時代」誓う、不法移民対策など優先 米大統領就任

ホワイトハウスの外観を撮影した写真

米国の第47代大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が米東部時間20日正午(日本時間21日未明)に就任した。

首都ワシントンの連邦議会議事堂で行われた就任式の演説で不法移民取り締まりなどを優先課題に挙げ、「米国の黄金時代が今始まる」と表明した。

トランプ氏は現在78歳で、バイデン氏を抜いて史上最年長の大統領就任となった。

約30分に及んだ演説では「2025年1月20日は米国民にとって解放の日になる」と表明。

昨年7月の自身に対する暗殺未遂を念頭に「米国を再び偉大にするため、私は神によって救われた」と述べた。

トランプ氏は20年大統領選を巡る起訴や有罪判決などを経て4年ぶりにホワイトハウスに復帰。

「このような歴史的な政治的復活は不可能だと多くの人は考えていた」とし、「私は今、米国では何事も不可能ではないことの証としてここに立っている。不可能とされることこそ、われわれが最も得意とすることだ」と語った。

トランプ氏は自身を和平の実現者として印象付けようとすると同時に、他の国が犯罪者を米国に送り込んでいるという選挙活動中の主張を繰り返したほか、自身に対する訴追への不満も表明。

バイデン前大統領も就任式に出席する中、移民対応から外交に至るまで前政権の政策を痛烈に批判した。

エネルギーに関する国家非常事態を即時宣言するとしたほか、「南部国境での国家非常事態を宣言する」と表明。

「不法入国を即座に阻止し、何百万人もの外国人を送還する手続きを開始する」と述べた。

当局者によるとトランプ氏は直ちに、国境警備と移民問題に焦点を当てた10件の大統領令を含む一連の大統領令に署名する。

このほか、パナマ運河を取り戻すとしたほか、外国からの全ての歳入を徴収する「外国歳入庁」の創設も表明。

メキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に変更する考えを改めて示したほか、火星に米国の宇宙飛行士を送り込む構想にも触れた。

J・D・バンス副大統領もトランプ氏に先立ち宣誓した。

就任式には多くのハイテク企業幹部が出席。

米実業家イーロン・マスク氏のほか、アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏や、メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が、閣僚候補者やトランプ氏の家族に近い壇上の目立つ席に着席した。

このほか、大統領選で敗れたハリス副大統領、オバマ、ブッシュ、クリントンの歴代大統領も出席。

ヒラリー・クリントン元国務長官も夫と共に参加したが、ミシェル・オバマ夫人は出席しなかった。

参照元∶REUTERS(ロイター)