護衛艦の居住区「カプセルベッドに!」「ネット回線使えます」具体的なイメージ公開 設置の期限は?
防衛省が2024年12月27日に公開した「2025(令和7)年度予算案の概要」では、さまざまな装備が調達されることが明らかとなったが、装備品以外の分野でも色々なものが盛り込まれていた。
そのひとつが「自衛官の処遇の向上」だ。
なかでも、「艦艇乗組員の生活・勤務環境改善・魅力化の整備推進」を図る目的で、新型護衛艦では艦艇居住区を従来艦とは大きく構造変更し、カプセルベッド化するとのこと。
これによりプライバシーの確保と快適性の向上を図ると明記、そのイメージも掲載していた。
対象となるのは、2025年度から建造が始まる新型FFM、すなわち2024年現在、導入が進められているもがみ型護衛艦よりあとに誕生する新造艦だ。
これまでの海上自衛隊の乗組員用寝台は、2段ベッドが基本で、通路との仕切りはカーテンのみ、照明は読書灯しかなかった。
しかし、2段ベッドでもかなり改善された方で、海上自衛隊発足時にアメリカから貸与された大戦型駆逐艦を転用した、あさかぜ型護衛艦やありあけ型護衛艦などは4段ベッド、初期の国産護衛艦である、はるかぜ型なども4段ベッドだった。
その後、3段ベッド化し、このタイプに関しては艦齢の古いはたかぜ型練習艦やあさぎり型護衛艦などに残っているが、数は少なく、2024年現在は多くの艦が2段ベッドになっている。
今回のカプセル化では、2段式ではあるものの、よりプライベート空間の確保に配慮されており、また壁ができたことによって、側面には折り畳み式の簡易テーブルなども付くようだ。
加えて、通信面に関しても艦艇内にWi-Fi通信機を設置して、インターネット回線などが使用できるようにする。
また洋上でもそういった民間回線にアクセスできるよう商用の低軌道衛星通信機材を自衛艦に搭載する計画だ。
すでに練習艦「かしま」「しまかぜ」の2隻にはStarlinkの海上向けサービス「Starlink Business マリタイムプラン」が導入されているが、同様のサービスを全艦艇に普及させる模様で、防衛省では2024年度は練習艦2隻を含む16隻に、2025年度は47隻に必要な経費を計上し、2028年度までに主要艦艇への搭載を完了させる見込みとしている。
これにより、洋上でも艦艇乗員がインターネットや携帯電話の通話が可能になりそうだ。
参照元∶Yahoo!ニュース