巨大トラフグ千葉で入れ食い “取れすぎ”下関にも出荷

トラフグをイメージした写真

年末年始のごちそうとして人気が高いフグといえば、山口県の下関というイメージがあるが、フグの中でも高級食材のトラフグが千葉県で豊漁となっている。

きれいな身が目に鮮やかな「ふぐ刺」に熱々の鍋。

まさに今が旬、冬の味覚の王様・トラフグだ。

ここ数年、千葉県で漁獲量が急増している。

ふぐ処理師 岩瀬商店 岩瀬将矢専務取締役「質のいいトラフグを全国に出す」

割烹(かっぽう)かねなか 中村一俊店主「有名にしてやろうというワクワクしかない」

高級食材の思いがけない豊漁に、小さな港町が活気づいていた。

千葉県いすみ市の大原漁港で、漁師たちが次々と水揚げしているのはトラフグだ。

正和丸 田口光哉さん(21)「近年見ないくらいとれている。去年くらいから(昔の)10倍くらい。トラフグ漁が盛んになりました」

去年、千葉県の漁獲量は44.6トンと過去最高を記録。

中でもいすみ地域では29.8トンも獲れ、史上最高の漁獲量となった。

睦栄丸 滝口守弘船長「(Q.きょうはどうでしたか?)60匹くらい。いい感じといえばいい感じ」

漁を終えて港に帰ってきたのは、漁師歴32年の滝口さんだ。

いすみ市はこれまでイセエビやマダコが特産品でしたが、ここ数年、トラフグの漁獲量が右肩上がりに増えている。

さらに、今年はある変化が起きていた。

滝口船長「個体的には去年よりも大きい。質はかなり良くなった。去年1キロちょっとが主体だったが、今年はそれに2キロ前後が混じる。

意外な場所にも出荷されている。

トラック内の水槽で生きたまま運ばれるトラフグ。

行き先は…。

岩瀬専務取締役「主に出荷先として、下関が一番大口」

ふぐの本場。

山口県の下関に、千葉でとれたトラフグを運ぶという。

先月のトラフグ漁解禁以降、岩瀬さんの魚問屋からは2000匹以上が下関へ出荷された。

岩瀬専務取締役「だいたい5年~10年前にやり始めた。徐々に年々本数が増えてきて、今年一番今のところ(下関へ)行っています。もう数えきれない」

岩瀬専務取締役「フグの加工水産会社がすごく大きい会社があって。フグ(の加工)を数量こなせる場所は下関しかない。(下関は)持って来いよという状況」

いすみ市を「トラフグの町」として有名にしようと、新たな試みを始める飲食店もある。

中村店主「(トラフグが)これだけあがるので、産地として盛り上げたい。コース仕立ての『究極のいすみトラフグ定食』を考えた」

毎朝、港から旬の地魚を仕入れる店では、2年前からトラフグの刺身を出しているが、今月からは新たにコース料理の提供も始めた。

ふぐ刺しや鍋にユッケ、天丼などトラフグをまるまる1匹ぜいたくに使ったコース料理が1万円を切る価格で堪能できる。

中村店主「安く手に入るので、都内では倍ぐらい値段がするコース仕立ての料理も、産地ならではの価格でお得に提供できる」

市川さんご夫婦「すごく歯ごたえがあっておいしい」「食べたことのないものばかり。他の人も誘いたい」

まさに町中がトラフグ景気に沸いている。

中村店主「下関や西で揚がるトラフグに比べても、全然引けを取っていない。食材を使って、町おこしができれば」

参照元:Yahoo!ニュース