コンスタントな利上げ、物価上昇が明確になる必要 全銀協会長

利上げをイメージした画像

全銀協の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)は19日の定例会見で、日銀の金融政策について、個人的な見解とした上で「コンスタントに利上げを行うためには、物価の上昇トレンドがもう少し明確になる必要がある」との考えを示した。

日銀は、19日に開いた金融政策決定会合で、追加利上げを見送り政策金利を据え置いた。

福留氏は、今後の利上げの時期やペースについては具体的な予想は控えるとし、「足元の経済を見ると実質賃金は、プラスとマイナスを行ったり来たりで、デフレからの脱却に向けて非常に繊細な状況」とも語った。

福留氏は、株価や為替等の市場変動リスクが銀行経営に与える影響について問われ、個人的な見解とした上で、資産・負債の総合管理の観点から米国金利やドルの変動が「経営に大きな影響を与えるほど極端なリスクテイクをしている感覚はない」とし、「米国の景気拡大はメガバンクにとって追い風となる」と話した。

ただし、インフレの再燃で金利が上昇した場合は、景気後退やクレジットの悪化を招く可能性もあるため慎重に動向を見守っていくとした。

18日には、米連邦準備理事会が、連邦公開市場委員会で、今後の利下げペース鈍化の可能性を示唆したことを受けて、ニューヨーク外為市場ではドルが上昇し、2年ぶり高値を付けたほか、米株式市場ではダウ平均の下げ幅が前日比で1100ドルを超えた。

参照元:REUTERS(ロイター)