イスラエル、シリア南部に防衛地帯設置へ ゴラン高原の支配強化
イスラエルのカッツ国防相は10日、イスラエルに対する「テロの脅威」を防ぐため、シリア南部に「イスラエル軍が常駐しない防衛地帯」を設けることを目指していると述べた。
イスラエル軍は一連の空爆でシリアの戦略兵器備蓄の大半を破壊したとしている。
イスラエル軍は、アサド政権崩壊後の48時間で対空砲台や軍用飛行場、兵器製造施設、戦闘機、ミサイルなどの標的に対してジェット機による350回以上の攻撃を実施したと明らかにした。
さらに、ミサイル艦艇はシリア海軍の施設であるアルバイダ港とラタキア港を攻撃した。
そこにはシリア海軍の艦艇15隻が停泊していた。
イスラエルは、シリア全土への攻撃は、アサド政権崩壊を受けて反政府勢力が戦略兵器や軍事インフラを使うことを防ぐのが目的だとしている。
反政府勢力の中には過激派組織イスラム国やアルカイダとつながりのある運動から勢力を拡大したものもある。
ネタニヤフ首相は「シリアの内政に干渉する意図はないが、われわれは安全を確保するために必要なことを行う。シリア軍が残した戦略的軍事施設が過激派の手に渡らないよう、空軍に爆撃を許可した」と述べた。
アサド政権崩壊後、イスラエル軍は1973年のアラブ・イスラエル戦争後に設定されたシリア国内の緩衝地帯に進軍し、緩衝地帯にあるダマスカスを見下ろす戦略的なヘルモン山脈にあるシリア軍が放棄した拠点を管理下に置いた。
シリアの情報筋によると、イスラエルの部隊は緩衝地帯からさらに先に進み、ダマスカス空港から車ですぐのカタナの町まで到達した。
一方、イスラエル軍スポークスマンは、緩衝地帯といくつかの追加的な地点に駐留しているとし、ダマスカスに向けて進軍しているとの情報を否定した。
参照元∶REUTERS(ロイター)