島根原発2号機が7日再稼働 12年10カ月ぶり

島根原発の外観を撮影した写真

中国電力は7日、島根原発2号機(島根県松江市、出力82万キロワット)の原子炉を起動し、12年10カ月ぶりに再稼働する。

事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)で、BWRの再稼働は東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機に続き2基目。

島根原発は全国で唯一、県庁所在地にあり、30キロ圏内に約45万人が住むことから、重大事故時の避難計画の実効性が課題となる。

予定では、7日午後、560体の核燃料が入る炉心から核分裂反応を抑える制御棒137本を引き抜く。

炉内の温度や圧力が上昇し、核分裂が安定的に続く臨界の状態に達する見通し。

その後、設備を点検するため原子炉を1週間ほど停止し、12月下旬に発電と送電の調整運転を始める。

原子力規制委員会の確認などを経て、来年1月上旬の営業運転開始を目指す。

中電は福島第1原発事故の翌年の2012年1月下旬、定期検査のため島根2号機を停止。

再稼働に向け13年12月、国の新規制基準に基づく審査を規制委に申請した。

原発近くを通る宍道断層の長さの評価などに時間がかかり、21年9月に原子炉設置変更の許可を受けた。

22年6月には地元自治体の同意手続きが完了。

地震や津波による重大事故を防ぐ安全対策工事を進め、費用は島根原発全体で約9千億円になる見通し。

一方、避難計画の実効性を懸念する住民は少なくない。

能登半島地震では主要な道路が壊れ、孤立集落が相次いだ。

島根半島部の約6万5千人が計画通りに避難できるかは見通せない。

寝たきりの高齢者や障害者といった要支援者への対応、避難者の受け入れ先となる広島県や山口県などの自治体の備えも重い課題となる。

参照元∶Yahoo!ニュース