韓国与党代表「大統領の職務停止必要」、明確な弾劾賛成には至らず
韓国与党「国民の力」の韓東勲代表は6日、尹錫悦大統領が職務を続ければ国民が危険にさらされる可能性が高いとし、できるだけ早期に職務を停止する必要があると述べた。
ただ、議員に弾劾訴追案に賛成するよう求めるには至らなかった。
韓氏は党の会合後、尹大統領が今週の戒厳令発動時に「反国家勢力」であることを理由に有力政治家らの逮捕を命じていたと明らかにした。
与党は5日に弾劾への反対姿勢を表明したが、韓氏はその姿勢を変えつつある可能性を示唆。
「私は昨日、準備不足の混乱による国民と支持者への影響を防ぐため、今回の弾劾案を通さないようにすると言ったが、新たに明らかになった事実に照らせば、大韓民国と国民を守るためには尹大統領の即時職務停止が必要だと考えている」と述べた。
韓氏は明確に弾劾を求めることはなく、記者団の質問にも答えなかった。
聯合ニュースによると、大統領府はその後、そのような命令が出ていたことを否定した。
最大野党「共に民主党」の関係者は、戒厳令が再び宣布される可能性を警戒し、野党議員らが国会の本会議場を回りそうした試みを阻止しようとしていると述べた。
もっと見る金善鎬国防相代行は、戒厳令が再び発令される可能性があるとの情報は事実ではないと述べた。
韓国メディアによると、陸軍特殊戦司令部の郭種根司令官は、新たに「非常戒厳」が発令されても拒否する考えを示した。
与党は大統領弾劾について議論するため、一般議員も含めた拡大会合を開いた。
弾劾を支持する有力議員は記者団に、各議員が「国民の側に立つのか、戒厳令勢力の協力者になるのか」決断しなければならないと語った。
一方、2016年に当時の朴槿恵大統領が弾劾され、保守政党の後退につながった事態を繰り返したくないとの声もある。
当選5回の議員は弾劾になお反対だと述べ、韓代表が党幹部と十分に協議しなかったと批判した。
こうした中、韓国ギャラップが6日発表した世論調査によると、尹大統領の支持率は過去最低の13%に低下した。
調査は3日夜の戒厳令を巡る騒動後に行われた。
参照元∶REUTERS(ロイター)