「年賀状じまい」が加速 関連商品は品薄に 4割の人が「出さない」という調査結果も

郵便ポストを撮影した写真

12月となり、今年の年賀状は、どうしようと迷っている人も多いのではないだろうか?

2024年10月に郵便料金が値上げされ、年賀はがきが63円から85円になったことをきっかけに、年賀状を送ることをやめる「年賀状じまい」をする人も増えているようだ。

福岡市天神の福岡中央郵便局です。年賀状コーナーが設置され、買い求める人が訪れていました。年賀状を購入した人は、70代「やっぱり書くのは年が新たになるし書きたい。必ず年賀状をくれる人も分かっているし、付き合いもいる」、80代「やっぱりなんか年賀状を出したい。久しぶりにペンで書かれた友達の字を見たり」

2024年10月に郵便料金が改定され、年賀はがきは63円から85円になった。

日本郵便は需要の落ち込みを見込んで、当初の発行枚数を10億7000万枚と前年より25%減らした。

街の人60代「年賀状は書きません。LINEでやりとりしようよという感じで”おめでとう””元気にしている?”」

50代「面倒くさいからもうやらないことに決めました。」

60代「もういいかなと思っているけど、そうは言いながらぎりぎりになったら出すんですよ」

年賀状離れが進み、書店などで販売している年賀状ソフトの売上げも年々減少している。

ジュンク堂書店 福岡店 福田雄克 店長「11月の売り上げは前年比30%減ということで、年賀状自体が縮小しているのを実感しています」

一方、ここ数年で売上げが伸びている商品もある。

RKB 小野愛梨 リポーター「天神ロフトです。年賀状売り場で特に売れているのが、今後の年賀状を辞退することがあらかじめプリントされた年賀状じまいはがきやシールです」「年賀状じまい」を知らせるハガキやシールの売れ行きが好調で、品薄状態になっていました。『本年をもちまして年賀状によるご挨拶を控えることにしました』『今後はメールやSNS等でご挨拶させていただこうと考えております』などと書かれている。

天神ロフト 販売促進担当 牛嶋典子さん「年賀状じまいはがきは、ここ2~3年取り扱っていますが、今年は種類を増やしたけど人気が高く、すでに売り切れている商品も多数出ている」

1949年に販売が開始された年賀状。

発行枚数が30億枚を超えた1982年、百貨店では家庭用印刷機「プリントゴッコ」の実演販売が行われていた。

パソコンやプリンターがまだ普及していない頃で、自宅で年賀状が作成できるプリントゴッコは全国で品切れが出るほどのヒット商品となった。

1985年には、福岡市の博多郵便局で全国初となるドライブスルーでの年賀状販売が行われた。

さらに、水郷・柳川市では飛脚姿の配達員がドンコ舟に乗って、年賀状を配達する姿が年始の風物詩となっていた。

年賀状の発行枚数のピークは2003年の約44億6000万枚。福岡中央郵便局では1時間に5万通の仕分けができる自動区分機を3台導入。

アルバイト職員を510人動員して、1日で100万通を仕分けしていた。

その後、SNSの普及などで年賀状の発行枚数は年々減少。

年賀状の企画やデザイン行う企業が行った調査によると、「年賀状を出す」と回答した人は52.5%「出さない」と回答した人は41.5%だった。

年賀状が始まった1949年の発行枚数は、約1億8000万枚。

1980年代に30億枚を突破して、ピークは2003年で約44億6000万枚だった。

その後、減少が続いている。

2004年は「mixi」や「Facebook」などのSNSが開始された年だ。

そして2024年は年賀はがきが値上がりしたことで、さらに需要が減ると見込んだため、発行枚数は約10億7000万枚となっている。

年賀状じまいの手段を聞いたアンケートでは、「何もしない」が最も多く85人「メールやLINE」が64人「年賀状にその旨を書き添えた」が38人だった。

「年賀状じまいをしてよかったと思いますか」という質問には、83.0%が「よかった」と回答している。

理由として「書く手間がなくなった」「年賀状を書くストレスが大幅に軽減された」「ハガキ代を節約できた」などの意見があったという。

参照元∶Yahoo!ニュース