HSBC、中国のクレジットカード事業から撤退へ

クレジットカードをイメージした写真

英金融大手HSBCは、8年前に始めた中国のクレジットカード事業から撤退する。

事業拡大と収益化に苦戦を強いられたためだ。

事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

3人の関係者の話では、HSBCは既にカードの新規発行を停止しており、中国国内の大部分の顧客に対するサービスを打ち切る作業に入っている。

このうちの2人によると、HSBCは何度か事業売却を試みたが不調に終わった結果、撤退を決めたという。

中国国内ではHSBCの銀行サービスを利用せず、クレジットカードのみを保有する顧客が大半で、こうした顧客はカードを更新することができなくなる。

HSBCの広報担当者はロイターに「海外旅行とライフスタイルの特徴に重点を置くクレジットカードのサービスは続ける」と述べたが、それ以上詳細は説明していない。

2106年終盤にアジア重視と中国におけるリテール・富裕層向けサービス拡大戦略の一環として立ち上げられたクレジットカード事業は1年半で5億ドル規模の事業に成長したものの、その後頭打ちとなり、コロナ禍で取引が急減。

さらに中国経済の減速による消費鈍化でクレジットカード市場全体が縮小するという逆風に見舞われた。

HSBCの場合、中国でのクレジットカード事業は厳しい競争や独特の規制体系も制約になったとみられている。

参照元∶REUTERS(ロイター)