超人気飲食店のファストパスに価値はある? ラーメン店の行列待ちは有料で回避する価値があるのか

行列の飲食店で並んでいる人

「気になる飲食店があるけどいつも行列で入れない」「インバウンドの影響で、名店がいつも混んでいる」といった経験はないだろうか?

実は一部の人気飲食店では、行列を有料で回避できる「ファストパス」が広がりつつある。

テーマパークではよく導入されているファストパスだが、飲食店の行列でファストパスを使う価値はあるのだろうか。

そこで今回は、実際に飲食店のファストパスサービス「TableCheck FastPass」を使って、人気ラーメン店を訪れてみた。

ラーメン店の行列待ちは有料で回避する価値があるのだろうか。

TableCheck FastPassは、飲食店の行列を避けて優先的に入店できるサービス。

対象の飲食店はサイト上に掲載されている、TableCheck FastPassに登録している店舗のみ。

来店日時を選んで「ファストパス」の手数料を払うと、行列に並ばずにその時間に「優先案内の予約」を取ることができる。

たとえば人気ラーメン店やカフェなど「本来予約を受け付けていない」というお店でも、同サービスに登録されているケースも目立つ。

ファストパスの料金は掲載されている飲食店によってまちまちだが、筆者が確認した限りではおおむね「ひとり390円」が相場。

とはいえ、都内の人気カフェで800円というお店もあった。

「ファストパス」の料金は予約成立時に支払いが発生し、キャンセル時も含めて返金不可となっている。

買い方は以下の通り。

まずは公式サイトから予約したい飲食店を選ぶ。

①日にちを選びます。すでに予約がいっぱいの場合は「空いている時間がありません」と表示される。

②空いている場合、選べる時間が表示されるので選ぶ。

③予約するをクリック。

その後、店からの要望をチェックしたあと、予約者情報を入力。

支払い方法を選んで支払いを済ませれば完了だ。

今回は筆者が超人気飲食店のファストパスを実際に取得した上で店舗に突撃してみた。

突撃したのは、東京都内から離れたとある地方の人気ラーメン店。

都内の方が行く場合、車か新幹線を使って移動することとなるだろう。

以前から一度は行ってみたかったラーメン店だが、午前8時に到着して記帳台に名前を書いたとしても、案内が14時頃になるレベルの人気店。

足を運ぶのが現実的ではなく諦めていたのだが、ファストパスによる優先案内が使えるのであれば突撃の価値がありそうだ。

そこでTableCheck Fastpassを使って事前にファストパスを390円で取得し、車で向かってみました。

この日は37℃。5分でも外に出ていると汗が噴き出すような暑さで、とても行列に並ぶのは無理な気温でした。

朝8時に記帳して14時の入店まで待つ場合、熱中症になってしまいそうな天候だ。

その点、ファストパスを使えば「14時に予約し、5分前程度にお店に着いていれば十分」という安心感がある。

13時55分頃に到着後、お店の人に「TableCheck Fastpassで予約した」と伝え、予約の時間までの数分を涼しい車内で待った。

なおその時点でもお店は満席状態だった。

14時になるとファストパスで予約した通り、席の優先案内が行われて入店できた。

その後、すぐにお店の方が「完売」の看板を設置した。

ファストパス無しで14時に訪れていたら、入店すらできなかっただろう。

ちなみにTableCheck Fastpassの料金は事前に支払いを済ませる形となるため、店舗で支払うのはラーメン代(およそ1,500円ほど)のみだった。

ラーメンは「行列に並ぶ価値がある」と確信するほどの味。

言い方を変えれば、その待ち時間を390円で買う価値があると感じた。

猛暑ということもあり、並ぶことは考えられず、筆者個人的には非常に便利かつ画期的なサービスだと人に勧められる。

一方、懸念点もいくつか感じた。

ラーメン店やカフェ以外には普及しにくいシステムということと、ファストパスの料金の高さだ。

ラーメン店は基本的には事前予約を受け付けていないお店が多く、行列に並ぶ必要がある。

そのため、並びたくない人にとって「ファストパス」=「優先案内」は画期的なサービスだ。

しかし、通常のレストランではそもそも「予約」というシステムがある。

つまり、TableCheck Fastpassはラーメン店やカフェなど「行列に並ぶ」ことが前提の飲食店しか相性がよくないため、それ以外には広まらないのではないかと感じる。

人気店のラーメンは1,000円~1,500円くらい、高くて2000円までが相場だろう。

そして、今回筆者が利用したファストパスは「390円」だった。

1,500円に対して390円のファストパスの場合、実質的に一杯1,890円。

この場合、料金に対して2割ほどがファストパス代となる。

「人気店のラーメンを行列に並ぶことなく食べられる喜び」に390円の価値があると思うか、料金に対して2割のファストパス代を高いと思うかは個人の価値観による。

とはいえ「高い」と感じる方が少なからずいても不思議ではないだろうし、一度は興味本位で試したとしても繰り返しファストパスを使うレベルであるかは、微妙かもしれない。

参照元∶Yahoo!ニュース