参院政倫審に旧安倍派20人出席意向 来夏参院選での「公認」判断基準踏まえた動きか
自民党派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、複数の旧安倍派参院議員が参院政治倫理審査会への出席意向を示していることが26日、わかった。
28日召集の臨時国会で参院政倫審が開かれる可能性が高まっている。
自民側は「政治とカネ」の問題で説明責任を果たす姿勢を強調したい考えだが、野党側の追及で更なるイメージ悪化を招く恐れもある。
「参院の政倫審に一刻も早く、一人でもきちんと出席をして弁明することを求めたい」
立憲民主党の小川幹事長は26日の記者会見でこう述べ、参院政倫審の早期開催を強く要求した。
これに先立ち、自民の石井準一参院国会対策委員長は26日午前、立民の斎藤嘉隆参院国対委員長と国会内で会談し、「今日の時点で政倫審出席の意向を一人も示していない」などと伝えていた。
野党側からは「党としての自浄能力がない」(共産党・小池書記局長)などと批判が噴出していた。
だが、関係者によると、この日の午後になり、旧安倍派参院議員約20人が政倫審への出席意向を松山政司参院幹事長に伝えた。
来夏の参院選を控える中、政倫審への出席が党公認を得られるかどうかの判断基準となることを踏まえた動きとみられる。
出席意向を示した議員には、改選を迎える議員も含まれているという。
衆院選では、萩生田光一・元政調会長、平沢勝栄・元復興相ら3人が衆院政倫審に出席せず、説明責任を果たしていないなどとして公認されなかった経緯がある。
石破首相(自民総裁)は参院選でも衆院選と同様の対応を取る方針を示しており、参院自民内には「早く政倫審に出たい」との声が出ていた。
参院政倫審は通常国会開会中の3月、政治資金収支報告書に不記載があった32人に対する審査を全会一致で議決したが、出席は橋本聖子・元五輪相ら3人にとどまった。
5月には、残る29人への出席要求が全会一致で議決されたものの、全員が出席していない。
首相は、第2次内閣が発足した今月11日の記者会見で「不記載問題は、おのおのが説明責任を果たすため、政治倫理審査会を含め、あらゆる場を積極的に活用するよう促す」と語っていた。
ただ、通常国会中に衆参で開かれた政倫審が実態解明につながったとは言えず、説明責任に関して自民側のアピール材料となるかは不透明だ。
野党幹部は「政倫審をいくら開いても国民の政治不信解消にはつながらない」と指摘している。
参照元∶Yahoo!ニュース