北海道産サツマイモ、生産量が急伸…温暖化で栽培しやすく「甘み増す時期が他県産より早い」

さつまいもの外観を撮影した画像

関東地方や九州地方が主産地のサツマイモが、寒冷地である北海道内でも生産量を伸ばしている。

温暖化で栽培しやすい気候になってきたことや、「甘みが増す時期が他県産より早い」という特徴が流通上のメリットになっている。

全国シェアで見ると、まだ1%にも満たないが、生産者は新たな高収益作物に育てたいと期待しており、集出荷を担うホクレン農業協同組合連合会も「北海道を全国有数の産地に」と後押しする。

10月中旬、石狩平野にある新篠津村でコメや麦などを生産する男性(45)がトラクターで牽引(けんいん)する車両を使って畑からサツマイモを掘り起こし、車両に乗り込んだ家族らがミニコンテナ(かご)に収めていた。

男性が本格的にサツマイモ栽培に取り組み始めたのは一昨年。

近年の「焼き芋ブーム」により国内外で需要が高く、定植後に病害虫防除などの管理作業がほとんどいらない利点に着目した。

今では村内12戸の農家が加盟する新篠津村農協甘藷(かんしょ)部会の部会長も務める。

ただ、主産地の茨城県のような水はけの良い火山灰土壌ではないため、春先に土を細かく砕くなど畑作りの工夫を重ねてきた。

生育は順調で、今年は2・3ヘクタールの畑で人気品種「シルクスイート」など約50トンを収穫した。

男性は「サツマイモは将来的に高収益が期待できる数少ない農作物。味は主産地のレベルに到達できていないが、改良を重ね、安定経営の『武器』にしたい」と意気込む。

参照元∶Yahoo!ニュース