トランプ氏、反トラスト法運用緩和か グーグル解体論見直しも

アメリカ大統領をイメージした画像

トランプ氏は米大統領就任後、バイデン政権が掲げてきた反トラスト法(独占禁止法)の厳格な運用方針を緩める公算が大きく、オンライン検索市場で圧倒的なシェアを持つアルファベット傘下グーグルの解体案も見直される可能性がある、と専門家は見ている。

トランプ氏は巨大IT企業「ビッグテック」に対する反トラスト訴訟を継続する見込み。

ただ、10月にシカゴで開かれたイベントではグーグルについて「解体したら破壊してしまうのではないか。解体せずにもっと公平にする方法もある」と述べ、グーグル事業の分割案に慎重な姿勢を示した。

米司法省は現在、グーグルの検索事業と広告技術の2件について反トラスト訴訟を進めているほか、アップルに対しても訴訟を起こしている。

また連邦取引委員会(FTC)はメタ・プラットフォームズとアマゾンを提訴。

司法省はグーグルの検索事業を巡る訴訟で同社に対して、ブラウザー(閲覧ソフト)の「クローム」など一部事業の売却やアップルなどと結んでいる検索エンジンの初期設定に関する契約を破棄するといった是正措置を求めている。

しかしこうした是正措置を巡る審理が始まるのは来年4月となる予定で、判決が下るのは来年8月頃と見られている。

そのためトランプ氏と司法省には方針を変更する時間的な余裕があると、ジョージ・ワシントン大学のウィリアム・コバチッチ教授は指摘する。

また専門家は、トランプ氏は合併・買収(M&A)についてもバイデン政権の厳しい姿勢を見直し、推進を図りそうだと見ている。

マクダーモット・ウィル・アンド・エメリー法律事務所のジョン・デュブロー氏によると、司法省とFTCはバイデン政権下で策定された合併ガイドラインを廃止する可能性が高い。

ただ、トランプ氏が反トラスト法の執行を大幅に減らすことはなさそうだ。

シェパード・マリン法律事務所の分析によると、トランプ氏の1期目の任期中に提訴された合併案件の数はバイデン政権の最初の2年間とほぼ同じだった。

参照元:REUTERS(ロイター)