投資ファンド不正支出、特別背任容疑で元代表取締役を逮捕 支配下のシンガポール法人に流したか

逮捕されている容疑者をイメージした画像

エネルギー投資を手がけるファンド運営会社を舞台にした不正支出事件で、東京地検特捜部は29日、「IDIインフラストラクチャーズ」(IDII、東京)元代表取締役の埼玉浩史容疑者(61)を会社法違反(特別背任)などの容疑で逮捕した。

特捜部は今月1日、埼玉容疑者の関係先を捜索して関係資料を押収し、実態解明を進めていた。

発表などによると、埼玉容疑者はIDIIの代表取締役だった2018年6月、IDIIと知人が経営するエネルギー関連会社との間で業務委託契約を結んだと装い、委託料名目で2160万円を知人の会社に支出し、IDIIに損害を与えた疑いが持たれている。

また、同容疑者は19年11月、取締役だったIDII関連会社から知人の会社に委託料名目で約19万4000ドル(約2000万円)を支出し、IDII関連会社に損害を与えた疑いがある。

知人の会社に支出された資金の大半は、埼玉容疑者が実質支配しているとみられるシンガポール法人に流れた疑いがあるという。

IDIIは07年に設立され、太陽光や水力などの発電事業への投資を行っており、埼玉容疑者は07~10年と14~20年に代表取締役を務めたほか、関連会社の取締役も務めていた。

20年に内部通報を機に不正支出疑惑が発覚。

外部の弁護士らによる社内調査に協力しなかったとして、埼玉容疑者は同年10月に代表取締役を解任されていた。

特捜部は、埼玉容疑者がIDIIや関連会社の不正支出を主導したとみて全容解明を進める。

参照元:Yahoo!ニュース