「娘を返して」泣き叫ぶ遺族 ハマス奇襲1年で追悼 イスラエル
パレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲から1年を迎えた7日、各地で追悼式典が行われた。
最も多くの犠牲者が出た同国南部レイムでは約2500人が参加。
「娘を返して」などと遺族の泣き叫ぶ声が響いた。
レイムはパレスチナ自治区ガザから約5キロに位置する。
戦闘が続くガザの方角からは銃撃音が聞こえ、イスラエル軍が威嚇する砲撃を行った。
昨年10月7日、夜通し行われていたレイムの野外音楽祭会場がガザから侵入したハマス戦闘員に襲撃され、364人が死亡し、44人がガザに拉致された。
会場だった場所には、犠牲者らの写真パネルが掲げられている。
アシア・フィシュマンさんは、息子のベンさん=当時(21)=を失ってから1年たったものの、「長い1日がまだ続いているようだ」と語った。
兵役が終わったばかりの息子は「人生の出発地点にいた」とフィシュマンさんは声を震わせた。
孫のアビアデ・ハレビさん=当時(28)=を殺害されたシャロム・ミズラヒさん(75)は「生きる意味を失った」と肩を落とした。
ミズラヒさんは、第4次中東戦争(1973年)などに従軍したが、「アラブ人との闘いは終わらなかった」と指摘。
「敵を倒さなければならない」と述べ、ガザやレバノンで続く戦闘を支持した。
イスラエル軍は7日、ガザ北部と南部の一部地域住民に退避を勧告した。
激しい攻撃を加える可能性がある。
軍は、ガザ北部ジャバリヤで新たな作戦を開始したと発表していた。
イスラエルのネタニヤフ首相はエルサレムにある奇襲犠牲者の記念碑を訪問。
「われわれには人質を連れ戻す責務がある」と述べ、改めて人質奪還を誓った。
ハマスは7日の声明で昨年の奇襲を「対イスラエル闘争の中で歴史的な出来事だった」と正当化した。
また、イスラエルの商都テルアビブにロケット弾を発射したと表明。
イスラエル軍は迎撃したが、同国中部で落下した破片で負傷者が出たと報じられている。
参照元∶Yahoo!ニュース