「すぐ僕を呼んで」京都に詐欺10回以上防いだすごいコンビニ店があった

特殊詐欺をしている男をイメージした写真

全国で特殊詐欺の被害が相次ぐ中、京都市左京区のコンビニ「セブン―イレブン京都下鴨高木町店」が、詐欺の水際阻止に10回以上貢献している。

犯人にそそのかされて金品を送ろうと来店する高齢者に、機転を利かせて声をかける店員の一言が被害を未然に防いでいる。

北大路通松ケ崎の交差点角にある店内。

レジ横にある電子マネーカードの売り場には、「高額のカード購入される方 店員に一声かけて下さい!!」と書かれた従業員手作りのボードがひときわ目を引く。

府警によると、記録が残る2021年以降、同店が未然に防いだ特殊詐欺被害は府内最多の14回。

今年6月には、5月5日と13日に電子マネーカードを購入しようとした高齢女性の被害を防止したとして、店員3人に下鴨署から感謝状が贈られた。

その一人、平澤雅也副店長(61)は「レジで対応する店員が特殊詐欺を疑ったら、すぐ僕を呼ぶように言っている」と話す。

だまされていることに気付かず、急いでカードを購入しようとする来店客に対して、説得するこつがあると平澤副店長は話す。

「パソコンの修理に関する警告画面が出ませんでしたか?」「電子マネーを買えと指示を受けませんでしたか?」などと、詐欺の手口をなぞった質問を先回りして投げかけると、客は「えっ、何で分かるの」と驚き、被害に遭いかけている自分に気付くという。

また、「周りに話を聞かれるのは嫌なのだろう」と、周囲に誰もいない状況で話すように工夫を加えている。

府警によると、今年1~7月の府内の特殊詐欺被害は101件発生し、被害額は3億8460万円に上る。

予兆電話(メール、パソコンの警告画面など含む)は2991件で前年同期比754件増加しており、今後も深刻な状況は続くとみられる。

府警特殊詐欺対策室の担当者は「平澤さんの阻止のポイントを、他の店舗にも還元していきたい」と語る。

平澤副店長は「従業員一人一人が特殊詐欺のことをすごく意識してくれている。警察と連携し、うちから被害者が出ないように常に心がけていきたい」と話した。

参照元∶Yahoo!ニュース