関西電力送配電 有害物質基準値超えの変圧器に20年以上対応せず 幹部が「隠ぺい」指示も 2018年台風で発覚と偽り国などに報告

電力会社

関西電力送配電は1日、国の基準値を超える有害物質「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」が含まれている柱上変圧器があることを1998年ごろには把握していたにもかかわらず適切な対応を怠り、2018年の台風で大規模停電が起きたことで発覚したと偽って、国や大阪府などへ報告していたことを明らかにした。

PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こす可能性がある化学物質で、現在は製造・輸入ともに禁止されていて、柱上変圧器などに入った低濃度のPCBを含むものは、2026年度までに処理を終えることが求められている。

関西電力送配電によると、電柱に設置されている柱上変圧器について、1990年に国の指示に従い、PCBが含まれているものは除染した後に再使用する方針を決定し、除染を進めていたが、1998年と2002年に配電部門の担当者らが調査を行ったところ、除染を行ったはずの変圧器から基準値を超える数値を確認したという。

しかし、担当者らは基準値を超えていた変圧器に対し、除染や交換などの対応をとっていなかった。

その後、2018年の台風21号により電柱が倒壊した際、変圧器から基準値を超えるPCBを確認。

その翌年に、PCBが含まれている変圧器を新品へと取り換える方針に変更した。

この際、配電部門の責任者が「過去から把握していた事実については隠した方がよい」という旨の発言をし、国や大阪府などに対して「台風21号による電柱倒壊をきっかけにはじめて把握した」という虚偽の報告をしたという。

去年11月に社外相談窓口に相談があったことから発覚し、弁護士などによる調査が進められてきた。

関西電力送配電は、「重大なコンプライアンス違反であり、客観的な調査、原因究明を実施するとともに、速やかに改善策を講じるなど、引き続きコンプライアンスを重視する組織風土の醸成に全力を尽くしてまいります」とコメントしています。

参照元∶Yahoo!ニュース