貴景勝 涙の引退会見「手をいっぱい伸ばしたけど、届かなかった」横綱の夢 それでも「幸せな相撲人生」

大相撲の力士をイメージした写真

20日に日本相撲協会に引退届を提出し、年寄「湊川」を襲名した元大関の関脇・貴景勝(28=常盤山部屋)が21日、国技館で引退会見を行った。

会見には鮮やかな紫色の袴で、師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)とともに出席。

「現役を引退し、年寄湊川として後進の指導に当たります」とあいさつ。

引退の理由については「燃え尽きました」と挙げ、故障に悩まされ続けた現役生活を「つらいという感覚はなかったが、もどかしい気持ちはありました」と無念の思いで振り返った。

9度目のカド番だった名古屋場所で5勝10敗と負け越し。

10勝以上で大関復帰となる秋場所は初日から2連敗し、3日目から休場して2桁勝利を逃した。

悩み、考え抜き、18日夜に師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)に引退を申し出た。

「勝って奢らず負けて腐らず。父から教わった言葉ですが、その信念だけを持ち続けました」。

最高位を目指して真摯(し)に相撲道を歩んできた。だが、いつしか度重なる故障との戦いがメインとなっていった。

「横綱を目指し、手をいっぱい伸ばしたんですけど、届きませんでした」と話すと目には涙が浮かんだ。

それでも「悔いはありません」と言い切り「常盤山親方にここまで指導して、育てていただきました」と感謝の思いがあふれ出た。

28歳1カ月での引退は、昭和以降の昇進で最高位が大関の力士では大受の27歳1カ月に次ぐ2番目の若さ。

近年は首の痛みに悩まされ、思うような相撲が取れず、今年は5場所中勝ち越しが1場所と不振だった。

埼玉栄高3年の14年秋場所に貴乃花部屋から初土俵を踏んだ。

激しい突き、押しを武器に17年初場所で新入幕。

18年九州場所で初優勝した。

19年春場所後に大関に昇進し、在位2場所で陥落するも1場所で復帰。

大関は30場所務めたが、今場所で再び関脇に転落していた。

優勝回数は現役では照ノ富士に次ぐ4回の実力者も横綱昇進の夢は果たせなかった。

それでも出せる限りの力は出し切り「苦労もありましたが、幸せな相撲人生でしたと胸を張った。

「横綱の景色を見たかったですが、向かっていくために、やるべきことはやりました」。

人気実力を兼ねそろえた大器が惜しまれつつ土俵を去る。

参照元∶Yahoo!ニュース