小林製薬 紅麹問題で再発防止策を発表「創業家依存経営からの脱却」独立性を有した法務の「専門部署」工場統括管理する新部署の立ち上げなど

サプリメントを服用している女性

小林製薬は紅麹を含むサプリメントを摂取した人から健康被害を訴えている問題で、「創業家依存経営からの脱却」、製品開発や製造に関する法律を専門的に扱う部署、工場の統括機能を果たす新部署の立ち上げなどの再発防止策を発表した。

小林製薬の「紅麹サプリ」をめぐっては、これまで把握していた5人以外にサプリを摂取し亡くなった100人以上が死亡との因果関係の調査対象となっている。

「紅麹」を使った小林製薬のサプリメントを摂取した人に健康被害が出ている問題をめぐっては今年7月、外部の弁護士による調査報告書が公表されました。

報告書によると、小林製薬は今年1月に健康被害の報告を受けていたにもかかわらず、行政への報告は「因果関係が明確な場合に限る」と社内で判断、2か月後の今年3月まで被害を公表しなかったという。

また、大阪工場ではおととし11月上旬、紅麹を培養するタンクのフタの内側に青カビが付着していることが確認されたが、品質管理担当者は「青カビはある程度は混じることがある」として、問題視しなかったことなどが指摘されている。

こうした指摘などを受けて小林製薬は17日、再発防止策について発表を行った。

その中で、これまで行政への健康被害に関する報告が「因果関係が明確な場合に限る」とし、外部の専門家などへの相談が基本ルールとして行わることが少なかったという。

こうした状況から、製品の開発・製造に関連する法律を専門的に扱い、適切な権限と独立性を有した専門部門を新設するという。

必要に応じて外部有識者への相談を実施するとしている。

また、工場などにおいて「現場任せの品質管理」と報告書で指摘されるなど現場の日々のオペレーションに関する課題の抽出は、工場長やマネジメント層にほぼ一任されていたという。

こうしたことから、品質に特化する形で、品質管理部署が各工場の定期監査を実施、社外の第三者によるチェックを確保する仕組みを構築するという。

そこで、工場の統括機能を果たすために「工場ものづくり推進部(仮称)」と呼ばれる工場を統括するための新たな部署を新設しスタッフを配置するという。

この他に、製造工程における課題について開発部門と工場とで検討を行う新たな会議を開催し、開発部門と工場とが相互に課題や知見を共有し改善する機会を設けるとしている。

さらに小林製薬は創業以来一貫して創業家が社長を歴任してきたということだが、その体制を一新し出直す決意を内外に示すべく、山根新社長が今年8月に就任した。

今後は「創業家依存から脱却し、新社長が旗手となり『品質・安全ファースト』を旨とする経営の舵取りを進める」としている。

小林製薬の山根社長は午後4時半過ぎから行われているオンラインで記者会見の中で、「関係の皆様には多大なるご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。全社一丸となって品質管理体制を見つめ直し改革していきます。速やかに再発防止策を実行し安心して信頼してもらえるよう真摯に取り組む」などと話した。

参照元:Yahoo!ニュース