3児の母、小雪が語る“2拠点生活”での子育て 「人に感謝できる人になってくれたら」
映画やドラマではクールな美しさが光る俳優の小雪さん。
プライベートでは3人の母であり、近年は農業にも取り組んでいるという。
田舎と都会の2拠点生活を通して、子どもたちに伝えたいこととは?
数年前から、田舎と都会の2拠点で生活をしています。
12歳の長男を筆頭に、11歳の長女、9歳の次男の3人の子どもたちは、農家さんのお手伝いもして、自然の中での生活が中心ですね。
いい意味で本当に「何もない場所」なので、野菜を育てたり、保存食を作ったり、想像力を働かせてゼロからイチを生み出す面白さがある。
子どものうちにたくさん体験をしてほしいですね。
もちろん都会には都会の良さもあります。
子どもでも身近に芸術に触れる機会が多かったり、自分の中にあるものを引き出して表現できるのは都会ならでは。
わが子たちも「都心は自分でいろいろなところに行けて楽しい」と言うこともあれば、「この野菜がこんな値段で売られているんだ。こっちなら自分で作れるのに」「都会は便利だけど、便利さにまみれちゃうね」などと言うこともあって、子どもなりの視点を持っています。
両方を体験して、いろいろ感じてほしいですね。
農家の方たちは毎日働いていて、季節に応じてお野菜を干したり、魚をさばいて干物にしたりとお忙しく、頭が上がりません。
雪の下に野菜を埋めて天然の冷蔵庫として利用するなど、知恵が豊富で学ぶことばかり。
そうしたことを教科書ではなく、暮らしの中で知ることができるのは貴重な経験だと思っています。
今回、出演するドラマ「スカイキャッスル」は、高収入家庭の子どもたちの受験戦争を描いた作品。
私は過去に影を持つ受験コーディネーターの役ですが、ドラマの世界観も、演じるキャラクターも、普段の私とはまったく無縁のもの。
正直、共感できるポイントはほとんどないです(笑)。
だからこそ、まったく別の世界だと思って楽しんで演じています。
実際に、受験熱は日本でも高まっていますね。
“良い大学”を出て、“良い会社”に就職するのが成功という固定観念が、社会にはまだまだ深く根付いているように思います。
ただ、実際のところ、「生きる力」があるかどうかを考えると、どうなのかな、と。
私は体験学習こそが子どもを成長させるし、人も成長させると思っています。
やっぱり頭で考える以外のことが、人生ではたくさん起きますよね。
自分なりの想像力を持って仕事をしたり、事業を起こしたりする人たちもいます。
誰かに決められた枠にとらわれるのではなく、自分が何をしたいか、どういう道に進みたいかをまず考えることが大事。
基本的な読み書きができて、ある程度の計算ができたら、あとは、自分のやりたいことを見つけて頑張るほうが、最終的には良い教育になるんじゃないかと思っています。
きっと、今の子どもたちが大人になるころには、今ある職業が減って、想像もしなかった職業が増えているはず。
“インフルエンサー”や“ティックトッカー”なんて、昔はいなかったですもんね。
「今は、『いいね』の数で広告収入を得る時代なんだよ」と息子に教えてもらって、「なるほどね」と驚きました。
子どもが3人いれば、やっぱり大変な時もありましたが、彼らももうずいぶん大きくなって、自分で考えられるようになってきました。
なので私が怒ったりすることはあまりないですね。
うちはスマホもSNSも基本はOK。
現代の子たちのコミュニケーションツールだから、取り上げても仕方がない、と思っています。
ただ、家庭のルールはある程度決めていて、その理由も説明します。
「明日学校だよね。何時には起きないとダメだよね。そのために何時に寝ないと起きられないよね。じゃあ、何時までゲームができる?」と最後は問いかけて。
「まだもう少し起きていても大丈夫」「金曜日は夜遅くてもいい」など、彼らなりの考えもある。
寝坊をして起きられず、遅刻をしたら怒られるのは本人。そこは自己責任で見守っています。
あとは、人に感謝できる人になってくれたら。
「ありがとう」と「お願いします」をきちんと言えるように、まずは私が、子どもの前でこの言葉をしょっちゅう口にするようにしています。
いつも聞いていたら、子どもたちも言えるようになるかな、と。
そのくらいの感覚でいないとお母さんも疲れちゃいますよね。
生活に関しては、夫のほうが厳しいので、お父さんのルールはお父さんのルールとして守らなくちゃいけない。
それも子どもたちはよくわかっていて、「お母さんならここまでは許される」など、あれこれ考えて、楽しんでいるようです(笑)。
参照元:Yahoo!ニュース