ジャニーズ性加害、事務所認めてから1年 被害補償対象者94%に賠償金 タレント起用は
旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.=スマイルアップ)が創業者のジャニー喜多川氏による性加害を認め、謝罪してから7日で1年となる。
被害者らでつくる「ジャニーズ性加害問題当事者の会」は、補償や救済は大部分達成できたとして解散を決めた。
テレビ局関係者からは「スマイル社のタレントを使いやすくなる」と声が上がる一方、「事務所の再発防止への対応が全て」との見方もあり、局側の動きが注目される。
「1年余りという時間は長くも苦しいことが多くございましたが、結果として得られた認定と謝罪、そして補償と救済(未決)に至っては事実として実績を残すことができました」。
当事者の会は3日、平本淳也元代表と石丸志門副代表の連名で声明を発表し、7日付で会を解散すると明らかにした。
スマイル社によると、8月30日時点で被害補償対象者の94%に賠償金が支払われた。
被害申告のあった996人のうち、連絡が取れなかったり在籍記録の確認がなかったりしたケースを除く520人が補償対象で、うち497人が補償内容に合意して賠償金の支払いをほぼ終了。
29人が手続きを行っているという。
ただ、補償内容に納得せず、裁判所で調停手続きを進める被害者もいるため、全員への補償は見通せていない。
一方、スマイル社のタレント起用を巡っては、テレビ各局で判断が分かれてきた。
新規起用を見送っているNHKは、稲葉延雄会長が「再発防止の取り組みが確認されるまで方針に変わりはない」(5月の定例会見)とする姿勢を維持し、テレビ東京も起用見送りの決定は変わらないという。
対照的に、日本テレビはドラマでスマイル社のタレントを出演させている。
テレビ局の関係者は、当事者の会が補償や救済の現状を踏まえて解散することについて「出演再開に向けた前進であることは間違いない」と話す。
その一方で、「これまで起用を見送っている局は、再発防止策など事務所そのものの体制を問題にしている。すでに起用している民放各局も含め、この部分の改善が見られないと今後の出演が増えることは考えにくい」との見方を示す。
参照元:Yahoo!ニュース