南海トラフ地震の臨時情報、周知「不十分」4割 29知事アンケート

地震情報をチェックした写真

8月に初めて発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)について、朝日新聞は期間終了後の同月下旬、対象の707市町村を抱える1都2府26県知事にアンケートを行った。

政府の事前の取り組みを約4割が「十分でなかった」と答え、制度の住民への周知不足を指摘。

一部の地域では旅行控えや買い占めなどが起き、政府は周知の方法などの見直しを進める。

8月8日に宮崎県沖で発生した最大震度6弱の地震を受け、政府は2017年の制度スタート以来、初の「臨時情報」(巨大地震注意)を発表。

1週間にわたり、「地震に注意しながら日常の生活を」と呼びかけた。

知事に住民の理解を進める政府の事前取り組みについて聞くと、「十分ではなかった」(3人)、「どちらかと言えば十分ではなかった」(8人)を合わせた全体の約4割が「不十分」と答えた。

「初めて聞く言葉で戸惑った県民や事業者が多かった」(宮崎)、「住民の認知度が低かったことは否めない」(高知)、「報道で初めて知ることとなった住民が多数」(愛媛)などの指摘があった。

一方、「十分だった」は0人、「どちらかと言えば十分だった」は2人だった。

「どちらとも言えない」は16人と、約5割を占めたものの、「発表時の行動について国民に行き届いていなかった」(奈良)、「『警戒』と『注意』の違いも踏まえ、もう少しPRが必要だった」(京都)など、周知不足への指摘が相次いだ。

政府は対象の自治体にアンケートを行う予定で、松村祥史防災相は30日の定例会見で「周知広報のあり方、臨時情報発表時における呼びかけの内容などをしっかりと検証する。さらなる見直しが必要であろうと考えている」と述べた。

参照元∶Yahoo!ニュース