関学大が部員の大麻使用否定「協会と見解相違」尿検査陰性も毛髪は拒否 活動も継続

アメフトに取り組む選手

部員に大麻使用疑惑が浮上した関西学院大アメリカンフットボール部ファイターズが30日、大阪市内で会見した。

日本協会から、U20(20歳以下)日本代表の部員1人が大麻成分を含有する物質を所持、使用したとして無期限活動停止、他4人が規律違反で処分されたが「大麻所持・使用の事実認定によるものではありません」と否定した。

部としても、当該選手に対しては「無期限活動停止」の処分を科しているが「理由は、日本協会の毛髪検査を受けなかったため」と主張した。

尿検査の結果は陰性だったといい「使用の事実を認定するに足る有力な証拠を把握しておりません。この点は、現時点において日本協会の発表内容とは見解の相違があります」と主張した。

会見の冒頭、池埜聡部長は「本年6月からカナダで開催されたU20世界選手権に、私どもの部から日本代表として選出された5名に関して、協会から処分の通知を今日、受けました。期間中の行動に基づきまして処分が下されたことを重く受け止めております。関係者各位、アメリカンフットボールに関係する全ての方に深くお詫びを申し上げます。大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。

一方、大麻物質使用の有無に関しては協会発表と見解が異なると強調し「部として調査したこと、判明したことを、全てオープンにお話ししたい」と反論したものの、選手1人が最後まで協会主導の毛髪検査を受検しなかったことも明らかにした。

部として繰り返し受検を強く要請したというが、当該選手は拒否して今に至るという。

承諾しない理由、関学大が説得し切れなかった理由については、該当の選手は「U20代表の選手やその保護者から(関学大の)5人がほぼ大麻を吸っていると決めつけるような言動があった」「他の選手から、部屋に大麻があるという証拠もないうわさを立てられ、無断で部屋の中に入って来られ、自分の荷物の中身を無断で調べられた」など挙げている。

その後も、尿検査の陰性結果を根拠に活動を継続してきた。

この件を部が把握してからも練習や合宿は行われており、今後も「活動予定は変更せず、関西学生連盟の秋季リーグ戦開幕に向けて全力で準備を進めてまいります」と発表した。

当該5選手は参加していない。

関学大は、学生日本一を決める甲子園ボウルで史上初の6連覇を昨季達成。

最多34度の優勝を誇る超名門として人気度も高い。

一方、同21度の制覇で双璧を成した日本大(日大)フェニックスは昨年末、大麻まん延で廃部に追い込まれており、学生アメフト界の東西の雄が、違法薬物騒動に揺れる異常事態に陥った。

今回、関学大に浮上した大麻騒動を巡っては、日本協会がこの日正午、U20日本代表で関学大に所属する5選手に重大な規律違反があったとして、協会の倫理懲罰規程に照らした処分をこの日付で科したと発表した。

問題が起きたのは6月19日から7月2日にかけて。

日本が米国を初めて破って準優勝したU20日本代表の世界選手権(カナダ)期間中に、大麻の吸引を含む違法行為が疑われたという。

日本協会は、個人情報保護の観点から選手の実名と違反内容の詳細に関する公表を差し控えたが、選手1人については「大麻含有製品の蓋然(がいぜん)性がある物質を所持・使用したこと」を理由に、日本代表に選抜される資格を無期限停止とし、関学大に対しても、当該選手の無期限活動停止を勧告した。

他の選手4人は「その他の規律違反が認められた」として、有期の日本代表選抜資格停止(1、2年間)と厳重注意に。

うち1人には、さらに6カ月間の対外試合出場停止を勧告した。

U20日本代表のゼネラルマネジャー(GM)としてカナダ遠征の現場責任者を務めた、日本協会の常務理事(強化育成担当)森清之氏は厳重注意処分。

この代表のオフェンスコーチは関学大の大村和輝監督が務めており、同行していた中で疑義が生じる行為がなされた。

この日の会見にも出席し「まさか、と思った。代表に帯同していたし、心当たりもなかった。尿検査の結果にはホッとした」と神妙に話した。

一方で毛髪検査を受けていない部員については「受検を促したが、本人に強いこだわりがあった」と歯切れが悪かった。

<選手に対する処分の内容と対象人数>

▼日本代表に選抜される資格の停止 無期限1人(選手A)2年間(選手B)1年間(選手C、D、E)

▼当該選手の日本協会管轄下における活動の停止(無期限)を所属大学に勧告(選手A)

▼当該選手の対外試合出場停止(6カ月)を所属大学に勧告(選手B)

▼厳重注意 4人(選手B、C、D、E)

参照元∶Yahoo!ニュース