ガザ戦闘一時休止で合意、ポリオ予防接種で 9月1日から
イスラエルとイスラム組織ハマスは、ポリオ(小児まひ)予防接種のため、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘の一時休止に合意した。
世界保健機関(WHO)の高官が29日、明らかにした。
WHOのパレスチナ自治区ガザ・ヨルダン川西岸代表を務めるリチャード・ピーパーコーン氏によると、予防接種は来月1日から開始予定で、ガザの中部、南部、北部で順番に実施。
それぞれ3日間、戦闘を休止することで合意した。
戦闘休止は現地時間午前6時から午後3時までで、必要に応じて4日目に延長する合意があるという。
ピーパーコーン氏は、最初の接種から4週間後に2回目の接種が必要になると述べた。
ガザでは今月、25年ぶりにポリオ感染が確認されていた。
ハマスの幹部バセム・ナイム氏はロイターに対し、予防接種を目的にガザ戦闘の人道的休止を求める国連の要請を歓迎するとし、「われわれは、ガザ地区の65万人以上のパレスチナの子どもたちを保護するために国際機関と協力する用意がある」と言明した。
イスラエル国防省傘下の「占領地政府活動調整官組織(COGAT)」は28日、ワクチン接種キャンペーンは「住民が医療センターに到着できるようにするための通常の人道的休止の一環として」イスラエル軍との連携により実施されると発表した。
イスラエル外務省の報道官はXへの投稿で、イスラエルはガザ地区への援助物資の搬送や、WHOおよび国連児童基金(ユニセフ)とのポリオ予防接種キャンペーンの調整で「集中的な取り組み」を継続していると述べた。
米国のウッド国連次席大使は、イスラエルがアクセスを容易にし、「ワクチン接種期間中は平穏な状況を確保し、軍事行動を控えること」が重要だと指摘。
また、米国はこの期間にイスラエルがさらなる避難命令を出さないよう求めるとした。
国連人道問題調整事務所は28日、敵対行為や治安悪化に加え、物資の輸送ルートや施設に影響を与える大規模な避難命令によってガザでの援助活動が大幅に制限されていると述べた。
参照元∶Yahoo!ニュース