“歴史的な強さ”台風10号 ジョギング並みのゆっくりとした速度で九州に接近 予想が大きく変わりやすく降水量がさらに増す可能性も

台風による特別警報で一体どういうふうに行動すればいいのか、そして、今度どこに台風は向かっていくのか。

28日午後に高潮の特別警報も追加され、鹿児島県には暴風・波浪・高潮の3つの特別警報が出されていてます。

暴風特別警報は奄美を除いた全域に、波浪特別警報は奄美を除いた沿岸部全域、高潮特別警報は阿久根市、薩摩川内市、いちき串木野市、長島町に出されている。

鹿児島県の中で西部にある、熊本県側の4つの自治体に出されていて、台風の進路を見ると雨も加わり、全て警戒というような状況になっている。

暴風域に入っている諏訪之瀬島の情報カメラの映像では、様子がよく見られないくらい荒れていて、暴風域中心が近づいてきている状況がよくわかる。

隣の島にはアメダスが1機置いてあるが、データが取れず瞬間風速などを知るすべがない状況だ。

恐らく、立っていてその場にいられないほどの猛烈な風が吹きつけている状況だと考えられ、こういった状況が各地で起きている可能性がある。

特別警報は、そのエリアにおいて数十年に一度、起きるか、起きたことがないというような異常な状況が迫っていることを知らせる警報になる。

今回は暴風特別警報が出されているため、できるだけ頑丈な建物を探して過ごす必要がある。

この後は暴風が強まり、1番激しい風の時の避難は相当危険になるため、避難を検討している人は、風が強まる前に迷ったら避難する必要があります。

また、午後5時に更新された進路の予想では、台風の勢力はピークという状況だ。

935hPaという中心気圧は、九州に接近している台風では歴史的な勢力で最強クラスだ。

引き続き、瞬間最大瞬間は70メートルという強さを保ったまま九州に迫っていき、早ければ29日午前から、ゆっくり北上し、九州は広い範囲で1日中、大荒れになる見込みだ。

午後5時時点では、鹿児島の西側に高潮の特別警報が出されているが、このままのルート・勢力だと熊本県の沿岸部の人は高潮に特に注意が必要になる。

雲の様子を見ていくと、ずっと同じような場所にいる状況だ。

時速15kmだと“自転車並み”とお伝えしますが、ゆっくりというと時速9km以下で“ジョギング並み”の速さになります。

同じ場所にい続けるということは、影響が同じ場所にかかり続けるということになる。

そのため、雨風の影響が同じ場所で拡大するという危険があると考えられる。

進みが遅いということはつまり、台風の今後のルートを動かしていく風が吹いていない、ということになる。

各国の予想を参考に見ていく。

アメリカの最新進路予想では、“九州のどこかに上陸”までは予想は同じですが、その後、九州で5日間ほど停滞する予想になっている。

ヨーロッパの予想では、東に行くところまでは日本、アメリカと似ているところがあるが、この先、東に行ったあとに進路を1回見失うような動きをするタイミングがある。

Uターンに近い形で最後、日本海に向かう予想が出ている。

やはり、“台風を動かす上空の風が吹いていない”ことが日本の気象庁の予報円が大きくなっている理由でもあるかと考えられ、予想が難しい状況になっている。

午後4時45分時点の雨のレーダーを見ていくと、秋雨前線がかかっている周辺ではかなり活発な雨雲がかかり続けている。

台風付近の本体の一番強い雨雲が、いよいよこのあと九州、さらには四国・中国にかかってきますので、かなり心配な状況だ。

そして、湿った空気が広い範囲に入っていますので、離れていても安心できない台風だ。

局地的にかなり記録的な雨が降っている状況で、この辺りも引き続き、警戒が必要になる。

台風が近づいてくると、活発な雨雲の域はスライドしていったりも考えられるが、ただ、必ず同じ距離で東にずれるというものでもなく、どこで湿った空気がいきなり激しい雨を降らすかというのは最新情報を確認する必要がある。

そして、台風10号のこの後の動き全体を見ていく。

雨・風の予想図を動かしていくと、ゆっくりと北上し、九州の西側を通る予想になっている。

また、29日朝の通勤時間帯（午前7時）あたりに鹿児島県に上陸する予想が1つのシミュレーション結果として出ている。

ただ、台風の勢力が「強い」ため、台風付近も横殴りの雨など大きな影響があると考えてほしい。

さらに、ゆっくり九州を縦断したあと、中国を横断するような動きをしていく予想になっている。

かなり広い範囲に長い影響が出るとみられるが、1つのタイミングとしては、31日の日付が変わるあたり、もしくは30日の夜遅くあたりに山陰から日本海にいったん抜けるタイミングが予想されている。

その後、31日朝の時間帯にまた本州に戻ってくる予想だ。

ただ、このルートを通っていても太平洋側に影響が出る恐れがある。

風と雨に注意が必要だ。

また、今後の雨の降り方の予想ですが、大体3日間で1000mmを超える雨というのが各地で予想されている状況は変わっていない。

今後も経験したことのないような数カ月の雨が1日で降る、3日間で降るなどが予想されるため、十分気をつけてほしい。

参照元∶Yahoo!ニュース