総裁選と公務、どう両立? 林官房長官は台風対応で出馬会見延期 上川外相は外遊とりやめ
自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)に出馬する岸田文雄政権の閣僚は選挙準備と公務との両立に苦慮することになりそうだ。
とりわけ頭を悩ませているのが危機管理の要である林芳正官房長官だ。
当初は今月27日に出馬表明する方向だったが、台風10号の接近のため、再検討に入った。
原則毎日の記者会見に臨むことから自身の主張と政府見解の整合性も求められ、ハンデを背負った選挙戦になる可能性がある。
林氏を支持する閣僚経験者は23日、国会内で開かれた林氏の陣営の会合に出席した後、周囲にこう漏らした。
念頭にあるのは出馬表明の日程だ。
当初は27日を軸に調整していたが、台風10号が日本列島を直撃する時期と重なることから、被害の状況などを見極めることになった。
中堅議員も「台風が来ているのに官房長官が出馬会見を開いているわけにはいかない」と話す。
過去の総裁選では平成18年に安倍晋三、令和2年に菅義偉の両氏が官房長官として出馬し、首相の座を勝ち取った。
当時の安倍氏らと異なり、林氏は知名度不足が指摘され、早期表明で選挙に注力したいのが本音だが、官房長官の職責は重い。
原則毎日の記者会見に加え、今月、臨時情報(巨大地震注意)が発表された南海トラフ地震や北朝鮮による弾道ミサイルへの対応など、国民保護も林氏が受け持つ。
加えて、官邸では首相と官房長官のどちらか一方が原則、東京に滞在する慣習がある。
総裁選告示後に行われる見通しの地方遊説にも制約がかかる可能性がある。
首相が15日の閣僚懇談会後、「閣僚の中には総裁選に名乗りを上げることを考えている方もいると思う。気兼ねなく、職務に支障のない範囲で堂々と論戦を行ってほしい」と述べたことを受け、総裁選には閣内から林氏のほか、上川陽子外相、斎藤健経済産業相、河野太郎デジタル相、高市早苗経済安全保障担当相が出馬の意向だ。
このうち上川氏は今月下旬を見込んでいた中東訪問を取りやめた。
閣僚らにとっては選挙と公務を絶えずてんびんにかけながらの戦いとなる。
参照元∶Yahoo!ニュース