なぜ?関東で“異例頻度”ゲリラ雷雨 今年は「同じ場所に集中」 雷からどう身を守る?
連日のように発生するゲリラ雷雨。
24日も、関東など各地で激しい雨が降った。
一方今年、関東では落雷件数が例年に比べて大幅に増えていることが気象会社の調査で分かった。
なぜ関東で落雷が増加しているのだろうか?
落雷から身を守るための対策も聞いた。
24日、山梨県甲府市で発生したゲリラ雷雨。
大粒のひょうが辺りを打ち付け、雷鳴が響き渡る。
群馬県伊勢崎市では、落雷の瞬間がカメラに捉えられていた。
よく見ると、赤い稲妻は周辺で最も高い木を直撃。
さらに落雷は仙台市でも。
落雷発生からわずか数分で辺りは白くかすみ、激しい雨風が吹き荒れる。
市内の道路は冠水する事態となった。
埼玉県では「記録的短時間大雨情報」が発表され、入間市付近では1時間に約100ミリの猛烈な雨が降った。
こうしたなか、迫りくる台風10号。
発達しながら北上し、27日から28日にかけて九州から東海に強い勢力で上陸する恐れがあり、警戒が必要だ。
関東で急増する“ゲリラ雷雨”。
一体なぜ、これほどまでに頻発しているのだろうか?
日本気象ICTソリューション部佐藤伸亮副部長「普段の夏は太平洋高気圧に日本付近は覆われている。今年は太平洋高気圧が少し南に偏っていて、関東付近がちょうどそのヘリにあたり、南からの湿った空気が流れ込みやすくなる。加えて、今年の夏は気温が高い。雷雲が発達する条件がそろっていることが普段の年以上に言える」
さらに、落雷の危険も高まっている。
日本気象ICTソリューション部佐藤伸亮副部長「例年4万4000件くらい関東で落雷がある。今年はすでに8万8000件で倍です。これまでからすると異例です」
日本気象によると、過去7年間の7月から8月に発生した関東地方の落雷は、2カ月平均で約4万4000回に対し、今年は約8万8000回も発生。
すでに例年の倍に増えていて、今後も増え続ける可能性があると言う。
日本全国で雷の観測を行っているフランクリン・ジャパンによると、今年関東で発生する雷にはある特徴が。
フランクリン・ジャパン今村益子気象予報士「同じ場所で長時間落雷が続いて、落雷数も結果的に多くなる」
今年多く見られるというのが、同じ場所で集中的に落雷が発生するケースだ。
例えば、先月6日の東京。
約4700回の落雷が1日で発生した。
これは、東京の7月の平均落雷数の倍近くにあたる。
今月7日には、埼玉で約6500回の落雷が発生。
雷は埼玉県庁の建物にも落ち、外壁が崩れ落ちる被害が出た。
フランクリン・ジャパン今村益子気象予報士「(雷雲は)1時間ぐらいで大体抜けることが多いが、この日は1時間以上の間、鳴り続けていたというような状況」
落雷は、時に人命をも奪う。
10年前には、愛知県の高校のグラウンドで野球部の男子生徒に雷が直撃し死亡する事故が発生。
身を守るために知っておくべき雷の特徴を聞いた。
■特徴(1)雷は突出物をめがけて落ちる
フランクリン・ジャパン今村益子気象予報士「雷は地面からの突出物をめがけて落ちてくる。自分より高い所に物を掲げるという行為は、自分がより突出物になってしまうということで避けていただきたい」
■特徴(2)金属の有無は関係なし
フランクリン・ジャパン今村益子気象予報士「金属を身に着けているかどうかということと、落雷の落ちやすさは無関係。流れる電流量が減って、逆に金属を身に着けていたことによって助かった事例も。(金属を)外すということは全く必要ない」
■特徴(3)雷は人に飛び移ることも
フランクリン・ジャパン今村益子気象予報士「木に落ちた雷が、その後すぐ人間に飛び移ってくる『即撃』という現象が起きる。その場合は直接雷が人間に落ちた時と変わらない量の電流を浴びてしまうので、非常に危険。自分が雷の標的にならないように雷が近付いてきたら、出来る限り安全な建物や車の中に避難するのが一番」
雷が車に落ちても、乗っている人に影響はないのでしょうか。
フランクリン・ジャパン今村益子気象予報士「おおむね安全と考えていい。ただ窓を閉めて完全に覆われた状態を作ることが重要」
今後も気温が高い傾向が続くとみられ、引き続き雷への注意が必要だという。
フランクリン・ジャパン今村益子気象予報士「9月いっぱいぐらいまでは落雷の可能性の高い日が続くので、注意事項を確実に守り、雷の被害から身を守っていただきたい亅
参照元∶Yahoo!ニュース