「万博中のIR工事 粉塵、騒音などで全来場者が不快に」 博覧会国際事務局長

大阪万博の工事風景

博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長が25日までに産経新聞の書面インタビューに応じた。

詳細は以下の通り。

私はIRの建設工事がもたらしうる影響に対し、懸念を持っている。

私はIRの(本体)工事が(万博開幕と同じ)2025年4月に始まることを今年6月に奈良で開催された国際会議の場で初めて聞かされた。

万博開催期間中、その会場に隣接した土地で工事が行われることは、万博の安定的な運営に深刻な問題を突きつけると考えている。

その問題とは粉塵、騒音、景観への阻害、物流網の逼迫などだ。

これらはすべて来場者に不快な経験をさせ、出展者らのパビリオン運営などを阻害しかねないだろう。

万博も、夢洲における民間資本による将来的な開発も、ともに重要な意義を持つ計画だろう。

ただ、来年4月から10月の6カ月間に、何百万人もの人々が訪れる万博というものの国際的な意義をかんがみれば、このイベント(万博)の成功は、最重要だといえる。

入念な計画の策定と調整を通じてのみ、われわれは双方のプロジェクトを成功に導く、調和のとれた結果を生み出すことができるだろう。

そのような成果は、万博開催のために投じられた公的資本の最適な利用にもつながるはずだ。

(万博開催とIR施設の建設をめぐる)問題の重大性について、BIEは2019年の段階から、政府や自治体(大阪府市)、日本国際博覧会協会などすべての関係者らと継続的に話し合ってきた。

そして彼らはBIEに対し、私たちの懸念を完全に理解し、取り得るすべての手段を講じ、万博運営に対するどのような障害も起こさないようIRの建設工事を管理すると約束してきたのだ。

重ねて言うが、IRの建設工事が万博の6カ月間のスムーズな運営に影響を与えないようにするには、すべての関係者間の効果的な調整が不可欠だ。

参照元∶Yahoo!ニュース