小川の草むらから「おーい、おーい」 SOSと察知した11歳男児 とっさの判断で転落した男性の救助に貢献
小川に生い茂った草むらから「おーい、おーい」。弱々しい男性の声が聞こえてきましたが、姿は見えない。
近くにいた小学5年生の男の子は、助けを求めている「SOS」と察知。
“とっさの判断”で男性の救助に貢献した。
大分県佐伯市米水津で7月29日夕方、自宅周辺でバレーボールをして遊んでいた親子4人。
異変に気づいたのは米水津小学校5年生の永井凛里くん(11)。
永井くん:「『おーい、おーい』と何度も聞こえてくるので捜しに行ってみた」
永井くんは遊んでいた時、川の斜面で草刈りをしている男性の姿を見ていた。
しかし、草刈り機の音が急に聞こえなくなったので、「もしかして」と不安に思い、川の近くに駆け寄る。
川幅は約3メートル、道路までの高さは約2メートル。
当時、ひざ下程度の水量で流れもほとんどなく、草が生い茂っていた状態で、永井くんは人の姿を確認することができなかった。
しかし、川底の草むらから明らかに何度も弱々しい男性の声が聞こえてくる。
永井くん:「お父さんにすぐ知らせないとと思った」
永井くんの父親が川に降り、茂みを割って入ると、肩をおさえて痛そうに倒れている男性(70代)を発見し、消防に通報した。
男性を引き上げるため、レスキュー隊が出動。
クレーンで吊り上げて無事に救助された。
男性は近所に住んでいて、川の斜面で草刈りをしていたところ誤って転落。
鎖骨を骨折しましたが、命に別状はなかった。
この日の最高気温は32度を観測。
発見が遅れれば、熱中症になっていた可能性もあった。
永井くん:「びっくりしたし焦った。勇気がいることだった。男性が死ななくて、けがだけでよかった」
川に転落した高齢男性を発見し、救助に貢献したとして、永井くんに警察から感謝状が贈られた。
永井くん:「初めての人助けをしてこういう風に人を助ければいいと思った」
佐伯警察署の中川洋一郎署長は「みんなのヒーロー。
いろんな場面で人助けをしてほしい」と称賛しました。
弟の面倒をよく見て優しい性格の永井くん。
将来の夢はみんなを笑顔にする“お笑い芸人”でしたが、この経験を機に目標が変わりました。
永井くん:「お笑い芸人だったが、今の将来の夢は警察官。警察だったら困っている人がいたらいつでも助けられる」
永井くんの母:「自慢の息子でうれしい。将来はできたら警察の方がいいかな…」
永井くん:「はい、頑張ります!」
参照元∶Yahoo!ニュース