ウクライナ、クルスク州の制圧地域拡大 ロシア領占領は意図せず
ウクライナ外務省報道官は13日、ロシア西部クルスク州への越境攻撃について、ウクライナには制圧した地域を占領する意向はないと述べた。
ウクライナは6日にクルスク州に対する本格的な地上越境攻撃を開始。
シルスキー軍総司令官は12日、クルスク州で約1000平方キロメートルの領土を制圧したと明らかにした。
さらにこの日は、過去24時間で1─3キロメートル前進し、40平方キロメートルを新たに制圧したと明らかにした。
制圧した地域は74集落に上る。
外務省のティヒー報道官は首都キーウで記者団に対し、クルスク州で攻撃を受けていることで、ロシアはウクライナ東部の戦線に追加部隊を送り込むことが難しくなるとの見方を示し、「ロシアとは異なりウクライナは他の人々の財産を必要としない。ウクライナにはクルスク州の領土を占領する意図はない。国民の命を守りたいだけだ」と述べた。
ゼレンスキー大統領によると、ロシアは6月以降、クルスク州からウクライナに対し2000回を超える攻撃を実施。
こうした越境攻撃が行われていた地域をウクライナ軍が制圧したと述べている。
またポドリャク大統領府顧問は、ロシアは和平交渉への参加に消極的参加であるため、強制的に参加させる必要があると述べた。
その方法の一つが戦場での行動だとし、クルスク州越境攻撃に言及した。
ゼレンスキー大統領はこの日の国民向け演説で、クルスク州攻撃はウクライナが主導権を握れることを証明したと指摘。
「いかなる状況でも、われわれは目標を達成できる、われわれの利益と独立を守ることができるということを再び証明した」と述べた。
その上で「困難で激しい戦闘にもかかわらず、ウクライナ軍はクルスク州で前進を続けている」と表明。
「次のステップを準備している」と述べた。ただ詳細は明らかにしなかった。
戦闘が続く中、ロシア国防省は国境から26─28キロの地点にある集落への攻撃を撃退したと表明。
ロイターは戦況を独自に確認できていない。
米国務省のパテル副報道官は13日、米国はウクライナのロシア越境攻撃の計画や準備には一切関与していないと表明。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官も、ウクライナがロシアのクルスク州に対する越境攻撃を計画しているとの事前通告は受けていなかったとし、この作戦に米国は関与していないと述べた。
参照元:REUTERS(ロイター)