海水浴行ってもいい? 「赤白の旗」に注目、避難経路も確認を

河川を撮影した写真

気象庁が8日夜、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を初めて発表した。

国は「1~2週間程度は地震の発生に注意しながら通常の生活を行うこと」を求めている。

10日からは3連休に続き、お盆期間に入る。

海水浴を予定していた人も多いだろう。どうすればよいのだろうか。

「津波来てから『どこに逃げたら』では困る」「早いところでは3分くらいで津波が来てしまう。直ちに高台に逃げる必要があるが、そのときに『どこに逃げたら良いかわからない』では困る。警報が出たらどこに、どういう経路で逃げるかを再確認する必要がある」

南海トラフ地震の評価検討会長を務める平田直・東大名誉教授は、8日夜に気象庁で開かれた会見でこう言及した。

 

その上で「私の個人的考えだが、それがきちんとできていれば、夏休みで海水浴をしていただいても特に問題ないと思います」と話した。

気象庁によると、南海トラフで大きな地震が起きると、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に高さ10メートルを超える大津波の襲来が想定されている。

津波警報や津波注意報などは地震発生後、約3分を目標に発表される。

海水浴をしている場合は直ちに海から上がって海岸から離れたり、高台や避難ビルなど安全な場所に避難したりする必要がある。

ただ、海水浴中はスマートフォンなどが手元になかったり、サイレンが波や風の音で聞きとりにくかったりと、情報を得にくい。

そこで合図になるのが赤と白の格子模様の「津波フラッグ」だ。

同庁によると、大津波警報、津波警報、津波注意報が発表されると、ライフセーバーらが津波フラッグを大きく振ったり、近くの建物に掲げたりする。

警報・注意報を視覚的に伝える方法として考案された。

海水浴場がある全国402市町村の約7割で導入されているという(今年6月末現在)。

同庁は、津波フラッグを見たら、すぐに海から離れ、周囲に声をかけながら、ライフセーバーらの誘導に従うなどして、高台や津波避難タワーなどへ避難するよう呼びかけている。

例えば、昨夏に11万人以上が訪れた「サザンビーチちがさき海水浴場」がある神奈川県茅ケ崎市では、津波避難マップを市のホームページや海水浴場の管理事務所で掲示。

津波警報などが出た場合の行動や避難先を示している。

市によると、津波警報などが発令されると、海の家の関係者らが津波フラッグを掲げて利用客に避難を呼びかける。

それを見た利用客はただちに標高10メートル前後の国道に避難し、さらに防災無線で指示があった場合は、指定された「津波一時退避場所」に向かうよう定められている。

一時退避場所は、小学校や近隣のマンションなどが指定されている。

サザンビーチちがさき海水浴場では毎週、避難訓練を実施しており、市は今回の「巨大地震注意」を受け、現場のライフセーバーや海水浴場を運営する観光協会などに対して、地震の際には日頃の訓練通り対応するよう伝えた。

市の担当者は「利用客もあらかじめホームページなどで避難方法をよく確認してほしい」と話している。

一方で、海水浴場によっては遊泳禁止を決めたところもある。宮崎市や和歌山県白浜町、神奈川県平塚市など一部の海水浴場では、「巨大地震注意」を受け、遊泳禁止としているところもある。

参照元∶Yahoo!ニュース