「薄皮たまごパン」7カ月で1200万個の大ヒット ランチパックたまご味と消費シーンがどう違うのか

パンを撮影した写真

薄皮たまごパン」 山崎製パン(東京都千代田区)の「薄皮たまごパン」が異例のヒットを記録している。

2024年1月の発売から7カ月で1200万パックを販売し、圧倒的な存在感を示している。

なぜこれほど売れているのか。

ヒットの舞台裏に迫った。

山崎製パンの「薄皮シリーズ」は、薄い生地に具材をたっぷり包み込んだ商品で、長年多くの消費者に親しまれてきた。

その中で「薄皮たまごパン」は、定番の「つぶあんぱん」などの甘い系統から一線を画す総菜系商品として誕生した。

開発の背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による生活様式の変化が挙げられる。

コロナ禍において、中食需要、つまり家で食事をする機会が増え、総菜パンの売り上げが上昇傾向にあった。

「薄皮シリーズでも総菜系の商品があれば、満足感があり、1個ずつ食べられる点からもお客さまに喜ばれるのではないかと考えた」とマーケティング部の川土居(かわどい)哲也さんは語る。

実際、2023年8月に薄皮シリーズから総菜系の「薄皮ハンバーグ&ケチャップパン」を期間限定で発売したところ、予想以上の好評を博した。

これにより、薄皮シリーズでも総菜パンの需要が高いことを実感し、本格的な開発に乗り出した。

次の総菜系として卵を選んだ理由について川土居さんは「卵は多くの人が好む味で、当社の『ランチパック』でも卵が最も人気。薄皮シリーズでも卵を使えば、多くの人に手に取っていただけるのではないかと考えた」と語る。

しかし、最初の試作品は「マイナス50点」と評価されるほどの出来栄えだったという。

「最も苦労した点は中身のボリューム感を表現することだった。卵のフィリング(パンに詰める具材)を包んで焼き上げる際に、水分が飛んで『焼減り』という現象が起こり、卵のフィリングとパンの間に空洞ができていた」(川土居さん)

この問題を解決するため、卵のフィリングの配合を工夫し、焼減りを抑えつつ、入れた分の具材がしっかり残るよう調整を重ねた。

さらに、卵の味わいや食感など、さまざまな課題を一つずつクリアし、半年をかけて納得のいく商品を作り上げた。

こうした努力の結果、「薄皮たまごパン」は独自の特徴を持つ商品となった。

一般的な卵系パンと比べても、卵の味わいと食感、具材の量感が最大のポイントだという。

薄くしっとりとした生地の中には、ふんわりとした卵のフィリングがたっぷり入っている。

通常、パンの新商品は発売から2カ月程度で入れ替わることが多いが、改良を重ねて発売した「薄皮たまごパン」は7カ月たった今でも高い販売数を維持している。

「薄皮たまごパン」のターゲット層についても、従来の薄皮シリーズとは異なるアプローチを取った。

元々、薄皮シリーズは「つぶあんぱん」が定番で、特に50~70代の高年齢層に親しまれてきた。

「今回の総菜パンは、それより若い世代も狙う意図があった」と川土居さんは語る。

結果として、「薄皮たまごパン」は30~40代の層に好評を得ているという。

働き盛りの世代にとって、朝食や昼食時に手軽に食事代わりになる商品は、忙しい日常生活にマッチしている。

この点が、若年層に支持される一因となっているようだ。

参照元∶Yahoo!ニュース