相次ぐ花火大会の中止 花火の価格や運営費の高騰が深刻 打開策は「有料席の導入」

花火大会をイメージした写真

夏の風物詩、花火大会。

2023年はコロナ禍明けで4年ぶりに開催される大会が多いが、2024年は再び中止の決断をした花火大会が15大会もある。

帝国データバンクのデータを見ると、花火の価格が花火大会の運営費用の多くを占めているが、2019年と比べると2024年は1.8倍の価格に。

理由としては、ウクライナ侵攻の影響で火薬が値上がりしていることがあるという。

開催中止の背景と、花火大会を続けるための対応について取材した。

2024年に中止になった花火大会の数は15大会。

主な要因は、花火の価格や警備員の時給の値上げといわれている。

帝国データバンクのデータを見ると、花火の価格が花火大会の運営費用の多くを占めている。

しかし2019年と比べると、2024年は1.8倍の価格に。

理由としては、ウクライナ侵攻の影響で火薬が値上がりしていることが挙げられる。

そして警備員の時給の値上がり。

夏場は繁忙期のため、さまざまな場所にスタッフが駆り出され、人員を確保しようと多くの大会で時給を上げていることが要因とみられている。

費用がかさむと例年通りできるのか、どの自治体も頭を悩ませている。

打開策のひとつは「有料席の導入」。

有料席での売上を花火大会の運営費用に回す自治体が多くなっている。

2024年は主要な花火大会の106大会のうち、79大会の約7割が導入している。

県内でも2024年から初めて有料席を導入する自治体がある。

例えば、みよし市の「三好池まつり」。

個人協賛としていただいたお金の返礼として、花火観覧席を確保するものになる。

花火を池のほとりの部分で見ることができる。

花火との距離は最短で200メートル、そして目の前を見どころのひとつである「提灯船」が通る特等席になっている。

有料の観覧席を初めて導入した理由として、市の担当者は、「運営費用の確保だけではなく、観覧客の安全も確保したい」との思いがあったという。

2024年協賛席が設置された部分は、これまで自由に場所取りができる場所だったが、混雑してくると人の押し合いになり、池のほとりに落ちてしまう人が出てしまうという状況も考えられる。

そのため、危険を回避するために設置した。

有料席のメリットもわかるが、これまで無料で見ていた花火大会にお金を払うことに、懸念を示す方もいると思う。

しかし、無料の観覧場所もあるので「好きなものを選んでもらえれば」と、担当者の方は話していた。

そして、お金をいただくことに申し訳なさを感じる部分もあるそうで、価格に見合うように観覧席に加え、駐車場を1組につき1台無料で確保していただける、さらに水分補給のためのドリンクも提供されるそうだ。

個人協賛席有料席は2種類あり、2人席の場合は6000円、4人で利用できるスタンド席の場合、1万2000円となっている。

1人当たりの値段で3000円くらいになっている。

2024年は、受付も既に終了してしまっており、ニーズも高いといえそうだ。

市の担当者によると「個人協賛席に加えて、これまで通り無料で見られるスペースもありますので、それぞれのニーズに合わせて花火を楽しんでいただければ」とのことだった。

参照元∶Yahoo!ニュース