中国が主要金利下げ、本格的景気浮揚策の幕開けか

中国の紙幣を撮影した写真

中国で先週開かれた共産党の重要会議、第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)での討議がどのような経済活性化策につながるかを熟考していた投資家に対し、中国人民銀行(中央銀行)は22日発表した予想外の利下げを通して今後の政策展開の方向性を示した。

利下げは改革加速を急ぐ当局の姿勢を浮き彫りにしており、他の政府機関も中銀に続き新たな措置を打ち出すことになるだろう。

人民銀が22日午前に利下げを発表した際、中国ウオッチャーはまだ、共産党が21日公表した中国語で2万2000文字にもなる3中全会の決定全文を精査していた。

人民銀は期間7日のリバースレポ金利を10ベーシスポイント(bp)引き下げて1.7%にすると発表。

その数分後には、1年物と5年物の最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)も同じ幅で引き下げると発表した。

人民銀は「実体経済」の支援が目的だと説明。

ただ、中銀は過去数カ月間、国債利回りを高く誘導し、人民元相場の変動率を抑えてきた。

潘功勝総裁は繰り返し、積極的緩和を期待する市場の見方をけん制してきた。

大半のアナリストは、人民銀が金融緩和による元相場への影響を和らげるため、米連邦準備理事会(FRB)がまず利下げするのを待つだろうと予想していた。

10bpの引き下げ幅は一見控えめだが、第2・四半期の国内総生産(GDP)成長率が予想を下回る4.7%にまで鈍化した世界第2位の経済大国において、政府が改革加速に本腰を入れていることを示す重大な一歩だ。

さらに潘総裁は先月、人民銀が短期金利を新たな政策金利に据えることを示唆。

7日物リバースレポ金利が政策金利となれば実質的な金利の簡素化を意味する。

先週の3中全会で政府当局者には成長押し上げを急ぐべきとの危機感が植え付けられた。

実際、公表された改革課題の期限は2029年で中国建国80年の節目に当たり、中期経済目標「第14次5カ年計画」の期限である35年よりも早い。

つまり、他の政府機関も人民銀に追随して新しい政策措置を打ち出す可能性が高い。

地方政府の収入拡大につながる税制改革や、低迷する住宅販売や不動産価格を好転させるための追加対策が含まれる可能性がある。

いずれにせよ、中国の政策立案者たちは有言実行を迫られることになるだろう。

参照元:REUTERS(ロイター)